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バックライト ストロビング / BFI(Black Frame Insertion / ULMB / DyAc / Pulsar)

リフレッシュ間隔のあいだバックライト(液晶)またはピクセル発光(OLED)を一時的に消灯/減光し、視覚的な動きぼけを物理的に短縮する技術の総称。GtG とは別軸の『動画ぼけ』対策で、NVIDIA ULMB/Pulsar、BenQ ZOWIE DyAc、Samsung MBR などが代表的な実装です。

GLOSSARY

用語の概要

別表記 Backlight Strobingバックライト ストロビングBFIBlack Frame Insertion黒挿入黒フレーム挿入ULMBULMB 2Ultra Low Motion BlurNVIDIA PulsarG-SYNC PulsarPulsarDyAcDyAc+DyAc 2Dynamic AccuracyBenQ DyAcZOWIE DyAcMBRMotion Blur ReductionELMBELMB Sync1ms MPRTAMA Strobe

関連用語
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出典
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最終更新
DEFINITION

解説

バックライト ストロビング(Backlight Strobing)/BFI(Black Frame Insertion、黒フレーム挿入) は、リフレッシュ間隔のあいだバックライト(液晶パネル)またはピクセル発光(OLED パネル)を 一時的に消灯/減光する ことで、視覚的なモーションブラー(動きぼけ)を物理的に短縮する技術の総称です。

応答速度(GtG)が「画素が新しい階調に切り替わる時間」を扱うのに対し、ストロビング/BFI は 「同じフレームが網膜に滞留する時間(サンプル&ホールド)」を短縮 することで、CRT に近い動画クリア感を液晶/OLED で再現します。

サンプル&ホールド と CRT の動画ぼけ

現代のフラットパネルは「次のフレームが来るまで前のフレームを表示し続ける」サンプル&ホールド型 のため、視線が動く対象を追ったときに、網膜上で像が 時間方向にブラー されます。これは GtG が 0ms でも残る、表示方式固有の動画ぼけです(Blur Busters によるパルス幅 = 動画ぼけ量の原理解説)。

CRT は電子ビームの掃引で 各画素が短時間しか発光しない(インパルス駆動)ため、サンプル&ホールド型に比べて動画ぼけが小さい特性がありました。BFI/ストロビングはこの インパルス駆動を模擬 する手法です。

GtG(応答速度)とは別の指標

指標何を測る改善する対象
応答速度(GtG)画素が階調 A から階調 B へ切り替わるのにかかる時間パネル自身の遅さに由来する尾引き残像(→ 応答速度(GtG)
BFI/ストロビングフレーム滞留時間を短縮する追加処理サンプル&ホールド由来の網膜上の動きぼけ(GtG が 0 でも残る)

つまり GtG とストロビングは別軸の対策 であり、GtG の速いパネル(OLED や Fast IPS)でも、BFI/ストロビングを使うかどうかで「カメラが流れる FPS の壁の見えやすさ」「ターゲットの輪郭の鮮明さ」は大きく変わります。

代表的な実装

NVIDIA ULMB / ULMB 2 / G-SYNC Pulsar

NVIDIA G-SYNC モニター向けの公式ストロビング機能です。NVIDIA 公式ページが定義する範囲のみを引用します。

実装概要
ULMB(Ultra Low Motion Blur)G-SYNC モジュール搭載モニターで利用できる初代のバックライト ストロビング。固定リフレッシュレート専用で、可変リフレッシュ(VRR)とは排他
ULMB 2NVIDIA 公式が発表した第2世代。動画ぼけをさらに短縮しつつ輝度低下を抑える 設計で、対応 G-SYNC モニターに向けてファームウェア配信される(NVIDIA 公式リリースノートを参照)
NVIDIA G-SYNC PulsarNVIDIA 公式が発表した次世代モーションブラー低減技術。可変リフレッシュレート(G-SYNC)と両立 する設計で、ULMB 系の「VRR と排他」という制約を解消することを目的としています。対応機種は NVIDIA 公式の Pulsar 対応モデル一覧を参照してください

BenQ ZOWIE DyAc / DyAc+ / DyAc 2

BenQ ZOWIE の競技 FPS(CS2 / VALORANT 等)向けモニターに搭載される独自の Dynamic Accuracy(DyAc)系ストロビング機能です。BenQ ZOWIE 公式ページが定義する範囲のみを引用します。

実装概要
DyAc(Dynamic Accuracy)初代の DyAc。連射時のスプレー(リコイル)パターンの視認性向上を訴求する設計
DyAc+DyAc の上位版。BenQ ZOWIE 公式は より強いストロビング効果 と位置づけている
DyAc 2最新世代の DyAc。BenQ ZOWIE 公式は 競技 FPS のターゲット視認性向上 を訴求しており、対応機種は ZOWIE XL2566K / XL2586X 等(公式製品ページ参照)

その他のメーカー実装

メーカー呼称
ASUSELMB(Extreme Low Motion Blur) / ELMB Sync(VRR と一部両立を狙う実装)
SamsungMBR(Motion Blur Reduction)
MSIMBR / Anti-Motion Blur
LGMotion Blur Reduction / 1ms MBR
AOC・Gigabyte 他Motion Blur Reduction / MBR / AIM Stabilizer

呼称や実装は機種で異なるため、本サイトでは メーカー公式仕様で機能名が明記されているもののみ を引用し、編集部の独自実測値(パルス幅 ms / 動画解像度 MPRT 等)は記載しません。

トレードオフ

ストロビング/BFI には共通の構造的トレードオフがあります。

項目影響
輝度低下バックライトを消灯する区間が発生するため、SDR ピーク輝度が低下する。HDR と併用しにくい設計が多い
VRR との排他ULMB 系・DyAc 系の従来実装は 可変リフレッシュレート(→ Adaptive-Sync)と排他 で、固定リフレッシュレート運用が前提。NVIDIA Pulsar はこの制約の解消を目的とした次世代技術
フリッカー(ちらつき)インパルス駆動の性質上、人によってはちらつきとして知覚され目疲れの要因となる場合がある(個人差・タイトル差・リフレッシュレート差が大きい)
明るい部分のクロストークストロビング タイミングと GtG 残光の干渉で、動き周辺に二重像(ストロビング クロストーク)が発生する場合がある

OLED と BFI

OLED は 画素自身が発光する 構造のため、バックライトを持たない代わりに 画素そのものの発光区間を短縮する BFI を実装できます(OLED 60Hz BFI / 120Hz BFI 等)。一方で、OLED は応答速度(GtG)が 0.03ms と既に十分速く、サンプル&ホールド由来のぼけは残るものの GtG 由来の尾引きは構造的にない ため、BFI 適用時の体感は IPS/VA ベースのストロビングとは挙動が異なります。

なお、OLED の BFI も 輝度低下フリッカー のトレードオフは同様に存在します(→ OLED パネルOLED 焼き付き)。

ClearMR 認証との関係

VESA は動画ぼけを定量化する ClearMR 認証を策定しており、ClearMR 7000 / 9000 / 13000 / 15000 など複数のグレードがあります。ClearMR は 特定のストロビング機能の有無を要件としていない ため、ストロビング非搭載でも GtG と組み合わせて高い ClearMR グレードを取得できる一方、ストロビング搭載機が必ず高グレードになるわけでもありません。本サイトでは ClearMR グレードはメーカー公式仕様で明記されているもののみ引用します(→ 応答速度(GtG))。

入力遅延との関係

ストロビング/BFI は 新しいフレームの表示を黒挿入区間が終わるまで待つ 設計の実装が多いため、構造上わずかな入力遅延の増加を伴う場合があります(→ 入力遅延)。ただし機種・モード・ファームウェアで挙動が異なるため、入力遅延を最重視する場合は第三者検証(TFTCentral / RTINGS / Blur Busters 等)で機種別の挙動を確認してください。

仕様欄の読み方

  • メーカー公式仕様で 「ULMB」「ULMB 2」「G-SYNC Pulsar」「DyAc」「DyAc+」「DyAc 2」「ELMB」「ELMB Sync」「MBR」「Motion Blur Reduction」「AIM Stabilizer」 等の 機能名が明記 されていれば、その名称をそのまま引用します
  • 1ms MPRT」のような MPRT 系の数値表記は、ストロビング有効時の条件 に依存することが多いため、本サイトでは MPRT の絶対値ではなく ストロビング機能の有無その公式名称 を中心に記載します
  • ストロビングと VRR の 両立可否、HDR との 同時利用可否、対応リフレッシュレートの 下限・上限 は、メーカー公式仕様の記載がある場合のみ引用します

本サイトでの記載基準

  • AI がストロビング/BFI の数値(パルス幅 ms / MPRT 値 / 輝度低下率)を生成することはありません。メーカー公式仕様 / Blur Busters 等の第三者検証で公開された値のみ引用します
  • 業界最強のモーションブラー低減」「No.1 の動画クリア感」等の最上級表現は使用しません(測定条件と機種で結果が大きく変わるため)
  • 機種別のストロビング クロストーク量/フリッカー強度を編集部独自に実測・記載することはありません(Blur Busters の Pursuit Camera 等専用機材と統一プロトコルが必要)
  • ULMB/Pulsar/DyAc/ELMB 等の固有名称は、対応モニターのメーカー公式仕様で 明示されている機種のみ に紐付けて記載します

関連用語

  • 応答速度(GtG) — 画素の階調切替時間。BFI/ストロビングとは別軸の動きぼけ対策
  • リフレッシュレート — ストロビング有効時の対応上限・下限はリフレッシュレート依存
  • 入力遅延 — ストロビング有効時はわずかに増加する場合がある
  • OLED パネル — 画素自身の発光区間を短縮する BFI が実装可能
  • IPS パネル — Fast IPS/Rapid IPS と組み合わせるストロビング機種が多い

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