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VESA ClearMR(Clear Motion Ratio・モーションクラリティ認証)

VESA がディスプレイの『動画ぼけの少なさ』を客観的に認証する規格。Clear Motion Ratio(鮮明ピクセルとぼやけたピクセルの比)を測定し、3000 から 21000 まで 9 段階のグレードに分けてロゴ表示を許可します。

GLOSSARY

用語の概要

別表記 ClearMRClear Motion RatioCMRVESA ClearMRVESA Certified ClearMRClearMR 3000ClearMR 5000ClearMR 7000ClearMR 9000ClearMR 11000ClearMR 13000ClearMR 15000ClearMR 18000ClearMR 21000モーションクラリティ動画クラリティ

関連用語
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出典
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最終更新
DEFINITION

解説

VESA ClearMR(Clear Motion Ratio) は、VESA がディスプレイの 動画ぼけ(モーションブラー)の少なさ を客観的に評価するために策定した認証規格です。VESA 公式試験に合格すると、グレード別の ClearMR ロゴ をパッケージや製品ページに表示できます。

応答速度(GtG)のように パネル単独の階調遷移時間 を扱う指標とは異なり、ClearMR は 実機が画面上に表示する動画の鮮明さ を、表示パイプライン全体を込みで(OD 強度・サンプル&ホールド由来のぼけ・スケーラ遅延などすべてを含めた状態で)測定します。

CMR(Clear Motion Ratio)の定義

VESA 公式は CMR を 「鮮明なピクセル数とぼやけたピクセル数の比をパーセンテージで表したもの」 と定義しています。値が大きいほど、同じ動画シーンに対してぼやけたピクセル(残像)が少なく、相対的に鮮明な動画を表示できることを意味します。

たとえば CMR = 5000(パーセント) は「鮮明なピクセルがぼやけたピクセルの 50 倍ある」状態を、CMR = 21000 は同じく「210 倍」状態を表します(VESA 公式の数値の意味)。

測定方法(VESA 公式)

VESA 公式が公開している ClearMR の測定条件は以下のとおりです(Granite River Labs 公式テスト仕様および VESA 発表ニュースリリースより)。

項目条件
測定機器ハイスピードカメラ+輝度計 によるテストパターン撮影
動作環境十分なウォームアップ後周囲温度 で測定
設定ネイティブ解像度 かつ 最大リフレッシュレート で測定
ダイナミックレンジ現行は SDR モード で測定(将来的に HDR モード追加の予定が VESA 公式で言及)
BFI / ストロビング無効化した状態 で測定(バックライト ストロビング / BFI は補助技術として ClearMR の対象外)

つまり ClearMR は 「BFI/ストロビングをオンにしたときの鮮明さ」ではなく、サンプル&ホールド表示状態における素のぼけの少なさ を評価する指標です。

グレード(ClearMR 3000 〜 ClearMR 21000)

ClearMR は 3000 から 21000 まで 9 段階 のグレードが存在します。ClearMR 15000 / 18000 / 21000 は 2024-12-30 に VESA 公式が新規追加したグレードで、480Hz クラス以上の高リフレッシュレートディスプレイ(OLED 含む)の動画クラリティを区別することを目的としています(VESA 公式 2024-12-30 リリースおよび TFTCentral 解説)。

グレードCMR 範囲想定する位置づけ
ClearMR 3000CMR 2500–3500(DisplayNinja・第三者解説で確認可能)エントリー帯のスタート地点
ClearMR 5000CMR 4500–5500(VESA 公式の解説で確認可能)ミドル帯。鮮明ピクセルがぼやけたピクセルの 45–55 倍
ClearMR 7000CMR 6500–7500(同上)上位帯(高速 IPS / TN の入口)
ClearMR 9000CMR 8500–9500(同上)高速 IPS / VA / OLED が並ぶ帯
ClearMR 11000(±500 のパターンが第三者解説により示唆)上位 OLED 帯
ClearMR 13000(同上)240Hz クラスの OLED 帯
ClearMR 15000(同上・2024-12-30 追加)360Hz クラスの OLED 帯
ClearMR 18000(同上・2024-12-30 追加)480Hz クラス OLED の中間帯
ClearMR 21000(同上・2024-12-30 追加)480Hz 以上の OLED 上位帯

記載の留意点:上表のうち ClearMR 5000 の範囲 4500–5500 は VESA 公式の解説に明示があり一次出典として確認できる値です。ClearMR 3000 = 2500–3500 および ±500 のパターン は DisplayNinja / TFTCentral 等の第三者解説で示されている範囲であり、すべてのグレードの厳密な公式数値範囲は VESA の認証規格本体(clearmr.org の認証データベース)でメーカー製品単位で確認することを推奨します。

どのグレードを目安にすべきか

ClearMR は数値が大きいほど 動画シーンが鮮明 ですが、「グレードを上げれば必ず体感的に良くなる」とは限らない ことが、第三者検証(TFTCentral 等)の論点として指摘されています。

  • 同じ ClearMR グレード内でも OD(オーバードライブ)の挙動・色階調ごとの応答ばらつき・入力遅延の影響 は機種ごとに異なる
  • OLED は構造上のサンプル&ホールド由来のぼけが小さい ため、応答速度(GtG)が極端に速くなくても高い CMR を得やすい
  • 競技 FPS でカメラパン中の壁や敵の輪郭をどこまで識別できるか は ClearMR だけでなく 入力遅延リフレッシュレート の総合判断が必要

ClearMR と他指標の関係

指標何を測るClearMR との関係
応答速度(GtG)画素が階調 A → B へ切り替わる時間(ms)パネル単独の遷移時間。ClearMR は表示パイプライン全体のぼけを評価 するため必ずしも GtG の速さとは一致しない
リフレッシュレート1 秒あたりの画面更新回数(Hz)リフレッシュレートが高いほどサンプル&ホールド由来のぼけが減るため、高 ClearMR を取りやすい 傾向(OLED 480Hz 級が ClearMR 21000 の対象)
バックライト ストロビング / BFIフレーム滞留時間を短縮する追加処理ClearMR 測定時は BFI を無効化する ため、BFI で改善できる動画ぼけは ClearMR では評価されない
VESA DisplayHDRHDR 表示性能(輝度・色域・ローカル調光)動画クラリティとは別軸。ClearMR と DisplayHDR は併存可能
OLED パネル自発光・ピクセル単位で消灯可能サンプル&ホールド由来のぼけが構造的に小さく CMR を稼ぎやすい。新グレード 15000–21000 は OLED 480Hz 級を想定した範囲

ClearMR の限界(第三者検証で指摘されている論点)

TFTCentral 等の第三者解説では、ClearMR について以下の論点が議論されています(本サイトの主張ではなく、第三者の指摘として引用)。

  1. グレードの粒度が荒い(±500 の幅があるため、グレード境界をまたぐかどうかで実際の差は小さい場合がある)
  2. メーカーごとの自主性が大きい(VESA は規格を策定するが、認証は VESA 認可テスト機関での実施・申請が必要なため、未認証=性能不足とは限らない)
  3. BFI を無効化した状態の測定 であるため、競技用途で BFI/ストロビングを多用するユーザにとっては実用上の動画クラリティを完全には表さない
  4. SDR モードのみ での測定であるため、HDR 表示時の動画クラリティは現行 ClearMR では評価されない

これらは ClearMR の 構造的な特性 であり、購入時には ClearMR グレードだけでなく、応答速度(GtG)・リフレッシュレート・入力遅延・BFI/ストロビング対応の有無を 総合的に確認 することが推奨されます。

仕様欄でこう書かれていたら

メーカー公式仕様欄や本サイト製品ページの「ClearMR」項目に表示される値の読み方です。

  • VESA Certified ClearMR 13000 — VESA の認証試験に合格し、CMR がおおむね 12500–13500 の範囲(±500 パターンが正しい場合)にあることをメーカーが申請・取得済み。240Hz クラスの OLED で多く見られる
  • VESA Certified ClearMR 21000 — 2024-12-30 追加の最上位グレード。480Hz クラス以上の OLED が想定。「VESA Certified」表記なしの ClearMR 21000 単独表記は VESA 公式ロゴガイドラインからは外れる ため、正式表記はメーカー公式ページで確認することを推奨
  • ClearMR 認証なし — VESA 認証を申請していないだけで、必ずしも動画クラリティが低いことを意味しない(特に発売直後の機種や中堅メーカー製品で未認証は珍しくない)

本サイトの記載基準

本サイトでは VESA ClearMR について以下の基準で記載しています。

  1. 数値は AI で生成しない:ClearMR のグレード値(3000–21000)は メーカー公式仕様ページに明記されている機種のみ に対して付与し、第三者レビューでの推定値・参考値は付与しない
  2. 編集部実測なし:本サイトは ClearMR テストの実機計測を行っていません。掲載は VESA 認証取得の事実をメーカー公式表記に従って引用するに留めます
  3. 最上級表現の回避:「ClearMR 21000 は最高クラス」「業界トップ」等の最上級表現は VESA がそうした序列を公式に主張していないため使用しません
  4. CMR 範囲の数値:本記事中で範囲を示している箇所のうち、ClearMR 5000 = 4500–5500 のみが VESA 公式解説に明示 されており、他のグレード範囲は第三者解説(DisplayNinja / TFTCentral 等)に基づく示唆値であり、厳密な公式数値範囲は VESA の認証規格本体での確認を推奨します
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