本文へスキップ

HDMI 2.2(96Gbps / Ultra96 ケーブル / Latency Indication Protocol)

HDMI Forum が 2025 年に発表した HDMI 2.2 仕様(最大 96Gbps / Ultra96 ケーブル / Latency Indication Protocol)の公式定義と、ゲーミングモニター・PS5・Xbox Series X|S・AV レシーバー / サウンドバーとの組み合わせで実用上意味する点を整理します。

GLOSSARY

用語の概要

別表記 HDMI 2.2HDMI 2.2 仕様HDMI 2.2 Specification96Gbps96 Gbps HDMIUltra96Ultra96 ケーブルUltra96 HDMI CableLatency Indication ProtocolLIP次世代 HDMIHDMI 2.2 vs HDMI 2.1

関連用語
14
出典
3
最終更新
DEFINITION

解説

HDMI 2.2 は HDMI Forum が 2025 年 1 月 6 日(CES 2025)に発表 し、2025 年 6 月 25 日に正式リリース した HDMI 規格の最新世代です(HDMI Forum 公式リリース告知 / HDMI Licensing 公式発表)。最大リンク帯域を 96 Gbps へ引き上げ、新たに Ultra96 ケーブルブランドと Latency Indication Protocol(LIP) を導入したのが主な変更点です。

HDMI 2.1(最大 [[displayport-hdmi|FRL 48 Gbps]])に対し、約 2 倍の帯域 を確保したことで、4K / 8K の高リフレッシュレート HDR や、より長いケーブル長・マルチホップ構成での A/V 同期に対応できるようになっています。

帯域・対応解像度・対応リフレッシュレート(HDMI Forum 公式)

項目HDMI 2.1HDMI 2.2
最大リンク帯域FRL 最大 48 Gbps96 Gbps
発表 / 正式リリース2017 / 20172025-01-06 / 2025-06-25
ケーブルブランドUltra High Speed HDMI Cable(48 Gbps)Ultra96 HDMI Cable(96 Gbps)
A/V 同期(個別実装に依存)Latency Indication Protocol(LIP)

HDMI 2.2 仕様で公式に明示された対応解像度・リフレッシュレートHDMI Licensing 公式概要 / HDMI Forum 公式リリース告知 より引用):

  • 圧縮 / クロマサブサンプリング併用: 4K@480Hz / 5K@240Hz / 8K@240Hz / 10K@120Hz / 12K@120Hz / 16K@60Hz
  • 非圧縮フルクロマ: 8K@60Hz / 4:4:4 / 4K@240Hz / 4:4:4(10-bit / 12-bit)

HDMI 2.1 で「DSC 必須」だった構成の一部が HDMI 2.2 では非圧縮で伝送可能 になります(例: 4K UHD 240Hz / 10-bit / 4:4:4 フルクロマ)。

Ultra96 HDMI Cable(公式ケーブルブランド)

Ultra96 は HDMI 2.2 仕様の 最大 96 Gbps 対応 を示すケーブルブランドです(HDMI Forum 公式リリース告知)。

  • HDMI Licensing は「製品が 64 Gbps / 80 Gbps / 96 Gbps のいずれかの最大帯域に HDMI 2.2 仕様で準拠していることをメーカーが示すための機能名」として Ultra96 を位置付けています(HDMI 2.2 Specification Technology Overview)。
  • Ultra96 HDMI Cable は HDMI 2.2 仕様の全用途(最大 96 Gbps を含む) をサポートする公式認証ケーブルで、HDMI Licensing の発表時点で 2025 年第 3〜第 4 四半期の市場投入 が予告されています(HDMI Licensing 公式概要)。
  • 旧世代の HDMI ケーブル(High Speed / Premium High Speed / Ultra High Speed)はそれぞれ HDMI 1.4 / 2.0 / 2.1 の最大帯域までしか保証されないため、HDMI 2.2 の 96 Gbps 用途では Ultra96 認証ケーブル が必要になります。

ケーブル選びの基本は [[displayport-hdmi|DisplayPort と HDMI(FRL / TMDS / DSC)]] のページで整理しているのと同じく、ケーブル側の認証ラベルモニター / ソース機器側のポート世代 の両方が揃って初めて、規格上の最大帯域で動作します。

Latency Indication Protocol(LIP / 遅延通知プロトコル)

LIP は HDMI 2.2 で新規導入された機能で、HDMI Forum は次のように説明しています(HDMI Forum 公式リリース告知)。

Latency Indication Protocol (LIP) for improving audio and video synchronization, especially for multiple-hop system configurations such as those with an audio video receiver or soundbar.

要点を整理すると以下のようになります。

  • 対象: 音声と映像の 同期(リップシンク) ずれを低減する仕組み。
  • 特に効くケース: AV レシーバー / サウンドバー など HDMI を多段に経由(マルチホップ) する構成。テレビ → サウンドバー → AVR → ソース機器、のように経路が長いほど経路ごとの処理遅延差が累積し、口の動きと音声のズレを発生させます。LIP は経路上の各機器が自機の遅延量を通知し合うことで、全体としてのリップシンクを補正できる仕組みです。
  • 直接の対象外: LIP は 音声・映像間の同期 を改善する規格で、ゲームの 入力遅延([[input-lag|Input Lag]]) そのものを下げる仕組みではありません。ゲーム時の入力遅延は引き続き、ディスプレイ側の低遅延モード([[hdmi-21-allm-qms-qft|HDMI 2.1 ALLM]] が自動切替する対象)の実装に依存します。

ゲーミング用途での HDMI 2.2 の意味

ゲーミング用途で HDMI 2.2 が実用上意味するポイントは以下に整理できます。

  • 8K / 高 Hz HDR の現実的な伝送路 — HDMI 2.1 の 48 Gbps では 4K UHD 240Hz / HDR / 10-bit / 4:4:4 は DSC 圧縮を併用するのが一般的でしたが([[displayport-hdmi|DisplayPort と HDMI]] 参照)、HDMI 2.2 では同条件を 非圧縮フルクロマ で伝送できます。
  • 5K2K / UWQHD 超 + 高 Hz — 5K@240 や 8K@60 の非圧縮フルクロマが規格上想定されているため、ウルトラワイド / 超高解像度のゲーミングモニターやプロジェクター用途で帯域上の余裕が増えます。
  • PS5 / Xbox Series X|S との関係 — 現行ゲーム機(PS5 / Xbox Series X|S)は HDMI 2.1(FRL 最大 48 Gbps)対応 で出荷されており、HDMI 2.2 の 96 Gbps を活かせるのは 将来の対応 GPU / ゲーム機 / モニター からです。HDMI 2.2 は HDMI 2.1 と後方互換 のため、Ultra96 ケーブル + HDMI 2.1 機器の組み合わせは HDMI 2.1 仕様の上限で動作します。
  • ALLM / VRR / QFT / QMS — HDMI 2.1 で導入された [[hdmi-21-allm-qms-qft|HDMI 2.1 ゲーミング機能群]](ALLM / VRR / QFT / QMS)は HDMI 2.2 でも引き続き利用可能です。HDMI 2.2 はあくまで 帯域と A/V 同期 を拡張する世代で、ゲーミング機能群そのものを置き換える規格ではありません。

本サイトの製品 DB での扱い

HDMI 2.2 / Ultra96 / LIP は 2025 年正式リリースの新規仕様で、製品実装が進むのはこれからの世代です。本サイトの製品 DB(spec_source 出典 URL 付き)では以下の方針で扱います。

  • 「HDMI 2.2 対応」表記 は、メーカーが公式 product page で明示している機種にのみ採用します。「HDMI 2.1 / 48 Gbps」と「HDMI 2.2 / 96 Gbps」を世代として混在させた記述は行いません。
  • Ultra96 ケーブル添付の有無 は、メーカー公式の同梱物リストに明示記載がある場合のみ言及します。
  • LIP 対応 は、AV レシーバー / サウンドバー / TV の組み合わせで効果が出る機能のため、モニター単体カテゴリでは取り扱わず、必要に応じて将来のオーディオ機器カテゴリで個別に整理します。
  • 対応解像度・リフレッシュレートの上限値 は、HDMI Forum 公式に基づく仕様上の上限と、メーカー公式仕様上のポート別上限(例: HDMI 2.2 ポートでも実装は 80 Gbps モードに留まる、など)を区別して記録します。

関連用語

  • [[displayport-hdmi|DisplayPort と HDMI(FRL / TMDS / DSC)]] — HDMI 2.1 までの世代と物理層の整理
  • [[hdmi-21-allm-qms-qft|HDMI 2.1 ゲーミング機能群(ALLM / VRR / QFT / QMS)]] — HDMI 2.2 でも継続して利用可能なゲーミング機能群
  • [[refresh-rate|リフレッシュレート]] / [[resolution|解像度]] — HDMI 2.2 が広げる対応 Hz / 解像度の前提
  • [[dsc|DSC(Display Stream Compression)]] — HDMI 2.1 / DP 2.1 での圧縮伝送と、HDMI 2.2 の非圧縮帯域の比較
  • [[color-depth-10bit-frc|色深度(8-bit / 10-bit / 12-bit / FRC)]] — 4:4:4 / 10-bit / 12-bit を非圧縮で扱える条件
  • [[dual-mode-resolution-refresh-rate|Dual Mode(解像度・リフレッシュレート切替)]] — 帯域上限と切替動作の関係
  • [[input-lag|入力遅延(Input Lag)]] — LIP は A/V 同期用で、ゲーム入力遅延そのものを直接下げる仕組みではない
  • [[adaptive-sync|Adaptive-Sync / VRR]] — HDMI 2.2 でも継続する可変リフレッシュレート規格
USE THIS TERM

選び方・ランキングで活用する

選び方ガイド

ランキング

SOURCES

参照元(一次ソース)