用語の概要
別表記 Dual ModeDual-Modeデュアルモードデュアル モードFrame Rate Boostフレームレートブースト解像度・リフレッシュレート切替二段リフレッシュレートResolution SwitchingRefresh Rate SwitchingVESA Dual ModeAdaptiveSync Dual Mode
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解説
Dual Mode(デュアルモード) は、1 台のモニターが 2 つの異なる「解像度 × リフレッシュレート」モード を持ち、ホットキーや OSD ボタンで瞬時に切替 できる機能です。代表的な動作は 4K UHD(3840×2160)/240Hz ↔ Full HD(1920×1080)/480Hz のような組み合わせで、解像度を落とす代わりに約 2 倍のリフレッシュレートを得られます(出典: LG US 32GS95UE-B 商品ページ)。
本サイトの製品ページや比較記事で「Dual Mode」「Frame Rate Boost」「4K 240Hz / FHD 480Hz」「5K2K 180Hz / Dual Mode 360Hz」「4K 160Hz native + FHD 320Hz」と書かれているのは、いずれもこの 二段リフレッシュレート切替機能 を指します。
VESA Adaptive-Sync Display CTS 1.1a — Dual Mode の標準化
VESA は 2024 年 1 月 3 日、Adaptive-Sync Display Compliance Test Specification(CTS)を バージョン 1.1a に更新し、Dual Mode 対応のオプショナル認定枠を追加しました(出典: VESA 公式リリース)。
これにより、対応モニターは 2 つの異なる解像度 × リフレッシュレート組み合わせ で個別に AdaptiveSync 認定値(例: AdaptiveSync 240 / AdaptiveSync 480)を取得できるようになりました。VESA が例示する組み合わせは 4K 144Hz + 1080p 280Hz で、最大解像度時のリフレッシュレートは 最低 144Hz 以上、縮小解像度時は 最低 1080p 以上 が条件として求められます(出典: Tom’s Hardware)。
両モードとも以下の AdaptiveSync 共通の厳格要件 を満たす必要があります。
- フリッカー(明滅)抑制
- 応答時間(GtG / MPRT)の上限
- フレームドロップゼロ
- ジッター(タイミングずれ)の上限
つまり Dual Mode 認定は単に「OSD で解像度が切り替わる」ではなく、両モードがそれぞれ AdaptiveSync ゲーミング監視認証の品質基準を独立にクリアしている ことの担保です。
代表的な Dual Mode 機種
本サイト DB に登録された Dual Mode 機の代表例を比較表で示します。数値はすべてメーカー公式仕様ページからの引用 であり、編集部独自の実機検証は行いません。
| モデル | 高解像度モード | 高 fps モード | 切替方法 | 認定 |
|---|---|---|---|---|
| LG UltraGear 32GS95UE-B(31.5 型 WOLED) | 4K UHD(3840×2160)/240Hz | Full HD(1920×1080)/480Hz | ホットキー | 世界初 VESA 認定 Dual Mode(VESA AdaptiveSync)/VESA DisplayHDR True Black 400 |
| ASUS ROG Swift OLED PG32UCDP(31.5 型 WOLED) | 4K UHD(3840×2160)/240Hz | Full HD(1920×1080)/480Hz | OSD: Frame Rate Boost | Dual Mode 明示/NVIDIA G-SYNC Compatible /AMD FreeSync Premium Pro |
両機とも 「ホットキー / OSD ボタンで瞬時にモード切替」 という共通仕様で、用途に応じてゲーム起動前や対戦タイトルの切替時にモードを変える運用が想定されています(出典: LG US 商品ページ/ASUS ROG 仕様ページ)。
このほか、Sceptre C415B-UU360S(40 型 5K2K ウルトラワイド・1500R 曲面、Dual Mode:5120×2160/180Hz ↔ 縮小モード/360Hz)や KTC H27P6(27 型 Fast IPS、4K 160Hz native ↔ Full HD 320Hz)など、OLED 以外 のパネルでも Dual Mode 機能を搭載するモデルが本サイト DB に登録されています。これらは VESA Adaptive-Sync 1.1a の Dual Mode 認定枠とは別に、メーカー独自の Dual Mode / Frame Rate Boost 実装 として扱われます。
なぜ Dual Mode が必要か — 帯域の制約
Dual Mode の存在意義は DisplayPort / HDMI の帯域上限 と OLED パネルの物理リフレッシュレート上限 という 2 つの制約から来ています。
- DisplayPort 1.4 + DSC(4K 240Hz が現実的上限)/HDMI 2.1(4K 240Hz+DSC)で 4K UHD を 240Hz で送る には、ほぼ規格上限の帯域を使い切ります。同じ帯域を 画素数 1/4 の Full HD に振り向ければ、理論上 約 4 倍のリフレッシュレート が確保できます。
- WOLED / QD-OLED の駆動 IC の物理リフレッシュレート上限は、現行世代で 約 480〜500Hz(出典: Tom’s Hardware PG27AQDP レビュー / DisplayNinja LG 32GS95UE レビュー)。4K 240Hz の場合、走査線あたりの駆動時間は 1/(240×2160) 秒、FHD 480Hz の場合は 1/(480×1080) 秒で、後者は ほぼ同等の走査負荷 に収まるためパネル側でも実現可能です。
つまり Dual Mode は、「同じパネル × 同じ伝送帯域」を 2 通りに最適配分する ための切替機能と言えます。
どんな用途に有効か
Dual Mode が真価を発揮するのは、シングルタイトルではなく、解像度と fps の優先順位が大きく異なる複数タイトルを 1 台で兼用したい ケースです。
- 4K 240Hz(高解像度モード):AAA タイトル(Cyberpunk 2077 / Black Myth: Wukong 等)、RPG・オープンワールド、配信視聴、クリエイティブ作業、デスクトップ生産性
- FHD 480Hz(高 fps モード):競技 FPS(CS2 / Valorant / Apex Legends)、格闘ゲーム、ラリー / レース系、e-Sports タイトル
この使い分けは、従来 「4K 144Hz モニター」+「FHD 360Hz 競技用モニター」を 2 台所有する ことで実現していましたが、Dual Mode 対応 OLED の登場により 1 台で両用途を兼用 できるようになりました。
Dual Mode と「単なる解像度ダウンサンプル」の違い
ここで重要なのは、Dual Mode の 「FHD 480Hz」は単にデスクトップ解像度を 1080p に変更した状態とは別物 という点です(出典: ASUS ROG PG32UCDP 仕様)。
| 項目 | Dual Mode(FHD 480Hz) | デスクトップ解像度を 1080p に変更 |
|---|---|---|
| 走査周波数 | 480Hz(パネルが物理的に高速駆動) | 通常モードの上限まで(例: 240Hz) |
| パネル駆動 | 専用モードとしてファームウェアが最適化 | 通常モードの一部 |
| ピクセル拡大 | 1 物理画素 × 1 = ドットバイドット相当の拡大スケール | ハードウェアスケーラーが拡大処理 |
| AdaptiveSync 認定 | VESA Dual Mode 認定モデルでは 両モードで独立に認定 | 通常モードの認定値のみ |
このため、Dual Mode 対応モニターで「FHD 480Hz モード」に切替えると、信号送出側(GPU 出力)も 1920×1080 / 480Hz に切替わり、パネルも 480Hz 駆動モードに切替わる という、両端で別ペアの動作モードが成立 します。
ピクセル密度の変化
Dual Mode で 4K → FHD に切替えると、表示画素数が 1/4 になります。同じ物理サイズの 31.5 型 16:9 パネルでは、ピクセル密度(PPI)は 4K 240Hz モード:約 140 ppi ↔ FHD 480Hz モード:約 70 ppi と変化します。競技 FPS で重要なのは敵プレイヤーアウトラインの視認性とポインティング精度 であり、80〜100 ppi 帯は 27 型 FHD(約 81 ppi) と同等で、競技帯の慣れた密度に収まります。
注意点と本サイトでの扱い
- Dual Mode の 対応有無 / 切替方法(ホットキー or OSD or 専用ボタン)/ 2 つのモード組み合わせ は機種ごとに異なるため、メーカー公式仕様または取扱説明書での確認が必須 です。
- 本サイトでは、メーカー公式仕様ページに明示された Dual Mode 仕様のみ を製品 spec 表へ記録し、編集部の独自実機検証は行いません。
- VESA Adaptive-Sync Dual Mode 認定枠の 認定値(240 / 480 等) と、メーカーが公称する 「Dual Mode」「Frame Rate Boost」表記 は別物です。VESA 認定枠を持つのは現時点で LG 32GS95UE シリーズ(世界初)など限定的で、ASUS PG32UCDP は Dual Mode 機能搭載・VESA 認定枠の取得明示なし として spec 表記を区別しています。
- Dual Mode 切替時に HDR モード(DisplayHDR True Black 400 等)や AdaptiveSync 動作レンジ が変化する場合があります。両モードでの動作詳細はメーカー公式仕様を参照してください。
Dual Mode は 2024 年 VESA 標準化 を起点に普及が進む新しい機能カテゴリで、本サイトのゲーミングモニターおすすめランキングやゲーミングモニター 選び方ガイドでも 1 台で AAA と競技 FPS を兼用したいユーザー向けの選択肢として整理しています。
選び方・ランキングで活用する
参照元(一次ソース)
本用語の説明は次の一次ソース(規格団体・メーカー公式資料など)を参照しています。
- 出典: VESA 公式 — Adaptive-Sync Display Standard Dual-Mode Support 発表(2024-01-03 / CTS 1.1a の二段リフレッシュレート対応)
- 出典: LG US 公式 — 32GS95UE-B 商品ページ(World's First VESA Certified Dual Mode / 4K 240Hz ↔ FHD 480Hz / hotkey 切替)
- 出典: ASUS ROG 公式 — Swift OLED PG32UCDP Specifications(Dual Mode: Yes, Frame Rate Boost / 4K mode + FHD mode signal frequency)
- 出典: Tom's Hardware — New monitor standard incorporates 'dual-mode' refresh rates(VESA Adaptive-Sync 1.1a 解説 / 4K 144Hz + 1080p 280Hz 例 / 最大解像度時 144Hz・縮小時 1080p 以上の最低要件)