用語の概要
別表記 DP Alt ModeDisplayPort Alt ModeDisplayPort Alternate ModeDisplayPort Alt Mode 2.0DP Alt Mode over USB-C
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解説
DisplayPort Alt Mode(DP Alt Mode、正式 名称 DisplayPort Alternate Mode)は、VESA(Video Electronics Standards Association)が策定した、USB Type-C コネクタ の 4 本 の高速 差動 ペア(SuperSpeed レーン)を DisplayPort 信号 に切り替えて 映像 を伝送する ための物理 層 規格 です。
本サイトの製品ページ/比較記事 で頻出する 「USB-C × 1(DP Alt Mode + 65W PD + データ)」 という表記の DP Alt Mode がこの規格 に該当 します。USB-PD(給電) と DP Alt Mode(映像) を併用 することで、USB-C ケーブル 1 本 で 映像 + データ + 給電 を統合 できる『シングル ケーブル 運用』が成立 します。
本記事は VESA 公式 の DP Alt Mode 関連 プレスリリース 3 本 のみを出典とし、本サイト編集部による個別 機種別 の DP Alt Mode 認証 動作 検証 は実施していません — DP Alt Mode の動作 は ホスト(GPU・USB-C コントローラ)/モニター/ケーブル/ハブ/KVM/変換 アダプタ の組み合わせで成立 する レイヤ のため、機種ごとの保証 動作 範囲 は メーカー 公式 情報 を参照してください。
DisplayPort Alt Mode の役割 — USB-C で DisplayPort を流すための物理 層
USB Type-C コネクタ は表裏 対称 で 24 ピン の接続 を持ち、内部 に 4 本 の高速 差動 ペア(TX/RX × 2 ペア × 2 方向 = 計 4 レーン) を備えます。通常 これは USB 3.x / USB4 の SuperSpeed データ 伝送 に使用 されますが、Alt Mode(代替 モード) の枠組みで他の物理 層 プロトコルへ用途 を切り替えることができ、その代表例 が DisplayPort Alt Mode です。
VESA 公式 アナウンス(2014-09-22 公開)では、USB Type-C コネクタ で DisplayPort を運ぶ枠組み として DP Alt Mode が定義 され、当初 から DisplayPort 1.2a の HBR2(5.4 Gbps/レーン × 4 = 21.6 Gbps) で 4K(4096×2160)60Hz の出力 が可能 と明示 されています。DisplayPort 1.3 の HBR3 拡張(8.1 Gbps/レーン)まで含めると、4 レーン 全用 で 5K(5120×2880)60Hz クラス の出力 にも対応 します。
レーン 構成 — 4 レーン DP 専用 と 2 レーン DP + USB SuperSpeed 共有
DP Alt Mode は USB-C の 4 本 の高速 差動 ペア を どう振り分けるか で 2 系統 の構成 を持ちます(VESA 2014-09 公式 アナウンス で明示):
| 構成 | 高速 レーン 割当 | 想定 用途 |
|---|---|---|
| 4 レーン 全用 DP モード | DP × 4 レーン(USB SuperSpeed なし) | 高解像度 / 高 リフレッシュレート 出力 を最大化(5K 60Hz・8K 60Hz 級) |
| 2 レーン DP + 2 レーン USB SuperSpeed | DP × 2 レーン + USB 3.x × 2 レーン(双方向 各 10 Gbps) | 映像 と USB ハブ・ストレージ を同時 利用(ドック・モニター 内蔵 USB ハブ) |
2 レーン 共有 モード でも USB 2.0(D+ / D−)は別系統 の専用 ピン を使うため、マウス・キーボード・Webカメラ 等 の USB 2.0 デバイス は常時 利用 可能 です(VESA 公式 アナウンス)。
VESA の USB Type-C コネクタ 物理 層 では、上記 の振り分け を Pin Assignment(ピン 割当)と呼び、DP 4 レーン 専用 = Pin Assignment C と DP 2 レーン + USB 3.x 2 レーン = Pin Assignment D が現行 主流 の構成 として定義 されています。
DisplayPort Alt Mode 2.0(2020-04-29 公開)— DisplayPort 2.0 の USB-C 展開
VESA は 2020-04-29 に DisplayPort Alt Mode 2.0 を公開 し、DisplayPort 2.0(2019-06 公開)の UHBR レート 群 と 128b/132b チャネル コーディング(USB4 と共有)を USB-C へ展開 しました(VESA 公式 プレスリリース):
| 構成 | レーン 配分 | 最大 帯域 | 想定 用途 |
|---|---|---|---|
| DP Alt Mode 2.0 — 4 レーン 全用 | DP × 4 レーン | 最大 80 Gbps(最大 ペイロード 77.37 Gbps = 19.34 Gbps/レーン × 4) | 8K(7680×4320)60Hz HDR 無圧縮 級、または 16K(15360×8640)60Hz DSC 併用 |
| DP Alt Mode 2.0 — 2 レーン DP + USB SuperSpeed | DP × 2 レーン + USB SS × 2 レーン | DP 側 最大 40 Gbps + USB SuperSpeed 同時 伝送 | 高解像度 + 高速 USB ストレージ 同時 利用 |
DP Alt Mode 2.0 は USB4 トンネリング 経由 でも DisplayPort 信号 を運べる設計 で、これにより 同じ USB-C コネクタ 上 で「USB4 / Thunderbolt 4・5 / DP Alt Mode」が共存 する形 になっています(→ Thunderbolt 5 vs Thunderbolt 4 も DP Alt Mode を内包)。
VESA は 2020-04 リリース 時 に 「最初 の DP Alt Mode 2.0 対応 製品 は 2021 年 に市場 投入 を見込む」 と公式 に明言 しており、現行 の DisplayPort 2.1 UHBR モード(→ DisplayPort 2.1 UHBR モード)対応 ホスト・モニター は この DP Alt Mode 2.0 の物理 層 を USB-C 経由 で再利用 する形 になっています。
DP Alt Mode と USB-PD の関係 — 同じ USB-C で『映像 + 給電』を両立
DP Alt Mode は VESA が策定 する物理 層 規格、USB-PD(USB Power Delivery)は USB-IF が策定 する給電 規格 で、両者 は 同じ USB Type-C コネクタ の異なる ピン 群 を使用 します:
- DP Alt Mode:4 本 の高速 差動 ペア(SuperSpeed レーン)+ AUX 信号 用 の SBU(Sideband Use)ピン
- USB-PD:CC1 / CC2(Configuration Channel)ピン 経由 で電圧/電流 のネゴシエーション + VBUS で給電
- USB 2.0:D+ / D− 専用 ピン(DP Alt Mode の振り分け に影響 されない)
CC ピン 経由 で DP Alt Mode への切替 ネゴシエーション と USB-PD の電力 ネゴシエーション が同時 並行 で進む設計 のため、「USB-C ケーブル 1 本 で 4K HDR 映像 + 65W 給電 + USB 3.x データ」 という シングル ケーブル 構成 が成立 します(→ USB-C PD と DP Alt Mode の併用 も参照)。
DP Alt Mode CTS — VESA 認証 試験 仕様(2016-12 / 2017-01)
VESA は 2016-12-13 に DisplayPort Alt Mode Compliance Test Specification(CTS) の公開 を発表 し、2017-01 から正式 リリース しました(VESA 公式 プレスリリース)。CTS は VESA Authorized Test Centers(ATC) での認証 または 自己 認証 + VESA データベース 登録 の 2 経路 で取得 でき、対象 範囲 は次 の通り:
- DisplayPort 映像 音声 全機能(DP Alt Mode の中核)
- USB SuperSpeed データ 伝送(2 レーン 共有 モード)
- 最大 100W の USB-PD 給電
- MST(Multi-Stream Transport — マルチ ストリーム デイジー チェーン → MST DisplayPort デイジー チェーン)
- HDMI / VGA / DVI 変換 アダプタ サポート
- VESA Adaptive-Sync(VRR → Adaptive-Sync)
CTS の存在 により、USB-C コネクタ 上 で DP Alt Mode を名乗る製品 は VESA の認証 試験 範囲 内 で互換性 が担保 され、本サイトでも メーカー 公式 仕様 に「DP Alt Mode 対応」と明記 された製品 のみを 該当 機種 として扱います。
DP Alt Mode と他の VESA / USB-IF 標準 の連携
DP Alt Mode が前提 とする 周辺 標準:
- DisplayPort 2.1 UHBR モード — UHBR10 / UHBR13.5 / UHBR20 は DP Alt Mode 2.0 の物理 層 で USB-C 経由 でも利用 可能
- DSC(Display Stream Compression) — 8K 60Hz HDR や 16K 60Hz の DP Alt Mode 2.0 伝送 で必須 となる視覚 ロスレス 圧縮
- USB-C PD と DP Alt Mode の併用 — 映像 + データ + 給電 の シングル ケーブル 運用 の片翼
- Thunderbolt 5 vs Thunderbolt 4 — 同じ USB-C 物理 層 で DP Alt Mode を内包 し USB4 トンネリング 経由 で DisplayPort 信号 を運ぶ
- MST / DisplayPort デイジー チェーン — DP Alt Mode の中で MST を流すこと で USB-C 1 本 から複数 モニター へ分配
- DisplayPort と HDMI の選び方 — USB-C 経由 の DP Alt Mode と HDMI ネイティブ コネクタ の選択 軸
- VESA Adaptive-Sync — DP Alt Mode CTS の認証 範囲 に含まれ、USB-C 経由 でも VRR が成立
- VESA DisplayHDR — DP Alt Mode 経由 の HDR メタデータ 伝送 は EDID/DisplayID 拡張 ブロック で宣言
- EDID / DisplayID — DP Alt Mode 接続 でも DDC 線 経由 で識別 データ を取得(USB-C コネクタ 内 の SBU ピン を AUX/DDC として使用)
購入時の判断軸(本サイトの扱い)
DP Alt Mode 周りで購入 判断 に影響 するポイント:
- メーカー 公式 仕様 に「DP Alt Mode 対応」「USB-C(映像 入力)」が明記 されているか — USB-C コネクタ が物理 的 に存在 しても DP Alt Mode 非対応 の機種 は ある(USB データ + 充電 専用 の USB-C ポート 等)
- USB-PD 給電 W 数(→ USB-C PD)— シングル ケーブル 運用 の主目的 が「ノート PC への給電」なら 65W 以上 が一般的 な目安
- DP Alt Mode 1.x(DP 1.4 ベース)か DP Alt Mode 2.0(DP 2.0 ベース)か — 4K 240Hz HDR 級 を USB-C 経由 で出すには 後者 + DSC 併用 が必要
- 2 レーン 共有 モード(USB SS 同時)の有無 — ドック 兼用 モニター(KVM・USB ハブ 内蔵)では 2 レーン 共有 構成 の対応 範囲 が重要
- ケーブル 仕様 — USB-C ケーブル 自体 が DP Alt Mode の高速 レーン に対応 していない場合(USB 2.0 充電 専用 ケーブル 等)映像 伝送 は成立 しない
本サイトでの DP Alt Mode の扱い方
- 個別 製品ページ / ランキング / 比較記事 では、メーカー 公式 仕様 に明記 された「DP Alt Mode 対応 USB-C」「映像 入力 USB-C」 のみ 該当 機種 として記載 します
- DP Alt Mode のバージョン(1.x / 2.0) はメーカー 公式 が明示 しない場合 が多いため、本サイトでは 接続 可能 な最大 解像度・リフレッシュレート・HDR メタデータ から逆算 した記述 は行いません(不明 は不明 と扱う)
- 同梱 USB-C ケーブル の規格(USB 2.0 充電 専用 / USB 3.x SS / Thunderbolt 認証)が DP Alt Mode の伝送 帯域 を律速 することがあるため、ケーブル 仕様 はメーカー 公式 記載 のみ参照 します
- 本サイト編集部 による DP Alt Mode 認証 動作 検証(CTS 試験 機材 による pixel 級 確認)は実施していません
- 「世界最速 USB-C」「最高 性能 シングル ケーブル」等 の最上級 表現 は使用 しません(景品 表示 法 優良 誤認 回避)
関連する用語集
- USB-C PD と DP Alt Mode の併用 — USB-PD(給電)と DP Alt Mode(映像)を 1 本 の USB-C で統合 する シングル ケーブル 運用 の片翼。CC ピン 経由 で 電力 ネゴシエーション と Alt Mode 切替 が並行 進行。
- DisplayPort 2.1 UHBR モード — DP Alt Mode 2.0 の物理 層 で USB-C 経由 でも利用 可能。UHBR10 / UHBR13.5 / UHBR20 と DSC 併用 の組み合わせ。
- DisplayPort と HDMI の選び方 — USB-C 経由 の DP Alt Mode と HDMI ネイティブ の選択 軸。
- Thunderbolt 5 vs Thunderbolt 4 — 同じ USB-C 物理 層 で DP Alt Mode を内包 し USB4 トンネリング 経由 で DisplayPort 信号 を運ぶ。
- DSC(Display Stream Compression) — 8K 60Hz HDR / 16K 60Hz の DP Alt Mode 2.0 伝送 で必須 となる視覚 ロスレス 圧縮。
- MST / DisplayPort デイジー チェーン — DP Alt Mode の中 で MST を流せば USB-C 1 本 から複数 モニター へ分配 可能。
- Adaptive-Sync(VESA 標準 / VRR) — DP Alt Mode CTS の認証 範囲 に含まれ、USB-C 経由 でも VRR が成立。
- DisplayHDR(VESA HDR 認定) — DP Alt Mode 経由 の HDR メタデータ 伝送 は EDID/DisplayID 拡張 ブロック で宣言。
- EDID(VESA モニター 識別 データ) — DP Alt Mode 接続 でも DDC 線 経由 で識別 データ を取得(SBU ピン 経由)。
- DisplayID(VESA モニター 識別 データ 標準 — E-EDID 後継) — DP Alt Mode 経由 の HDR・VRR・DSC メタデータ も DisplayID Extension Block で宣言。
- 解像度 — DP Alt Mode 2.0 で 8K(7680×4320)60Hz・16K(15360×8640)60Hz DSC 併用 まで対応。
- リフレッシュレート — DP Alt Mode 2.0 の UHBR レート 群 で 4K UHD 240Hz HDR 級 も成立。
参考リンク
選び方・ランキングで活用する
参照元(一次ソース)
本用語の説明は次の一次ソース(規格団体・メーカー公式資料など)を参照しています。
- 出典: VESA 公式 — DisplayPort Alt Mode 初版 リリース 発表(2014-09-22 公開 / DisplayPort を USB Type-C コネクタ で運ぶ規格 として登場 / 4 レーン HBR2 5.4 Gbps × 4 で 4K 60Hz / 4 レーン HBR3 で 5K 60Hz 級 / 2 レーン DP + USB SuperSpeed 10 Gbps 同時 構成)
- 出典: VESA 公式 — DisplayPort Alt Mode 2.0 リリース 発表(2020-04-29 公開 / DisplayPort 2.0 の UHBR レート と 128b/132b チャネル コーディング を USB-C へ展開 / 最大 80 Gbps・最大 ペイロード 77.37 Gbps / USB4 トンネリング 経由 で互換 / 8K 60Hz HDR・16K 60Hz DSC 併用 を想定)
- 出典: VESA 公式 — DisplayPort Alt Mode Compliance Test Spec(CTS)公開 発表(2016-12-13 アナウンス / 2017-01 正式 リリース / 認証 試験 範囲 = DisplayPort 映像音声 + USB SuperSpeed データ + 最大 100W 給電 + MST マルチ ストリーム + HDMI/VGA/DVI 変換 + Adaptive-Sync)