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USB-C PD(USB Power Delivery)と DisplayPort Alt Mode

USB Type-C ケーブル 1 本で映像(DisplayPort)・データ(USB)・給電(電力)を同時に扱うための 2 つの規格。USB-IF の Power Delivery と VESA の DisplayPort Alt Mode が組み合わさることで、ノート PC をモニター 1 本で接続・充電する『シングルケーブル運用』が成立します。

GLOSSARY

用語の概要

別表記 USB-C PDUSB PDUSB Power DeliveryPower DeliveryUSB-C Power DeliveryUSB Type-C PDPD 3.0PD 3.1EPRExtended Power RangeDP Alt ModeDisplayPort Alt ModeDisplayPort Alternate ModeUSB-C 映像出力USB-C 給電USB-C 単線接続PPSProgrammable Power Supply

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DEFINITION

解説

USB-C PD(USB Power Delivery)DisplayPort Alt Mode(DP Alt Mode) は、USB Type-C ケーブル 1 本で『映像 + データ + 給電』を同時に流す ための 2 つの異なる規格です。前者は USB-IF(USB Implementers Forum)が、後者は VESA が策定しています。両方を同時にサポートするモニターを使うことで、ノート PC とモニターを USB-C ケーブル 1 本だけで接続し、同時にノート PC を充電する いわゆる「シングルケーブル運用」が成立します。

本サイトの製品ページや比較記事で頻出する「USB-C × 1(DP Alt Mode + 65W PD + データ)」のような表記は、この 2 規格の組み合わせを 1 行で示したものです。

USB Power Delivery(USB PD)とは

USB PD は USB Type-C ケーブル経由でデバイス間に大電力を双方向で供給する ための規格です(USB-IF 公式)。当初の USB PD(PD 2.0 / 3.0)は 最大 100W(20V × 5A)まで、2021 年に発表された PD 3.1 EPR(Extended Power Range)最大 240W(48V × 5A)まで拡張されました(USB-IF / Granite River Labs)。

規格世代最大電力主な電圧プロファイル主な用途
USB PD 2.0 / 3.0(SPR)100W5V / 9V / 15V(3A), 20V(5A)ノート PC・タブレット・スマホ
USB PD 3.1 EPR240W28V(140W)/ 36V(180W)/ 48V(240W)ゲーミングノート PC・ワークステーション

EPR で 100W を超える電力を扱うには、EPR 対応の電源側 + EPR 認証ケーブル(48V / 5A 対応・専用 e-marker)+ EPR 対応のデバイス の 3 点すべてが揃う必要があります(Plugable / Granite River Labs)。モニターからの 100W 超給電を期待する場合、ケーブルの認証マーキングと PC 側の対応プロファイルを必ず確認してください。

PPS / AVS(プログラマブル電源)

PD 3.0 で追加された PPS(Programmable Power Supply) と PD 3.1 EPR で追加された AVS(Adjustable Voltage Supply) は、固定電圧ではなく 電圧・電流を細かく調整できる プロファイルです(Granite River Labs)。スマホの急速充電プロトコル(OPPO SuperVOOC など)の USB PD 互換層として広く使われていますが、モニターの USB-C PD 入力で必須となるケースはあまり多くありません。

DisplayPort Alt Mode(DP Alt Mode)とは

DP Alt Mode は、USB Type-C コネクタの SuperSpeed 4 レーンを DisplayPort 信号として転用する ための VESA 公式仕様です(VESA / DisplayPort.org)。USB-C コネクタは仕様上「Alternate Mode(代替モード)」として複数の他規格を物理層で透過させることが許されており、その代表例が DP Alt Mode です。

バージョン映像規格最大帯域想定解像度・リフレッシュレートの例
DP Alt Mode 1.0(USB 3.x 同居・2 レーン)DP 1.2/1.3/1.4(HBR3)約 25.92Gbps(HBR3 ×2 レーン)WQHD 144Hz / 4K 60Hz
DP Alt Mode 1.0(4 レーンモード)DP 1.4(HBR3)約 32.4Gbps4K 120Hz(DSC)/ WQHD 240Hz
DP Alt Mode 2.0(USB4 / USB-C 同居)DP 2.0/2.1(UHBR10/13.5/20)最大 80Gbps(UHBR20 ×4 レーン)8K 60Hz、4K 240Hz、UWQHD 240Hz

DP Alt Mode 2.0 は USB4 と物理層を共有 することで、DisplayPort 2.0(UHBR)の性能をそのまま USB Type-C 上に展開できる仕様です(VESA 公式)。本サイト掲載モデルで「USB-C(DP 2.1 UHBR20 + 90W PD)」のように表記されているものは、この DP Alt Mode 2.0 経由で UHBR を扱える USB-C ポートを指します。

4 レーンモードと 2 レーンモードの違い

USB-C コネクタは 4 本の SuperSpeed レーンを持ちます。DP Alt Mode では以下の 2 通りの使い方が選べます。

  • 2 レーンモード:DP に 2 レーン、USB 3.x データに 2 レーンを同時に割り当て。USB データ転送と映像出力を同時に最大速で扱える が、映像帯域は半分(約 25Gbps)に制限される
  • 4 レーンモード:4 レーン全てを DP に割り当て。最大解像度・リフレッシュレートが出せる が、USB 2.0 相当(480Mbps)でしかデータ転送できなくなる

モニター側の USB ハブが「USB 2.0 動作になる」「USB 3.x ハブとして使えない」と表記される場合、4 レーンモードを選択している可能性が高いです。

「USB-C 給電付き」表記の読み方(本サイトの基準)

モニターのスペック表で USB-C 端子 = USB-C PD + DP Alt Mode とは限りません。本サイトでは以下の 3 点が 同時に成立する USB-C ポートのみを、ランキング・比較記事のフィルタや判定ロジックで「USB-C PD あり」として TRUE に振り分けます。

  1. DP Alt Mode 対応(映像出力可能)
  2. USB PD で給電できる(5W のような『データ用バスパワー』ではなく、ノート PC 側を充電できるレベル)
  3. 60W 以上の PD(一般的なノート PC が動作中も充電可能なしきい値)

逆に以下のようなポートは、製品表記上は「USB Type-C」とあっても、本サイト判定では USB-C PD ありとは扱いません

  • USB-C コネクタだが DP Alt Mode 非対応(USB データ専用 / 周辺機器ハブ用)
  • DP Alt Mode 対応だが PD 給電なし(映像のみ)
  • PD 給電あるが 15W / 18W / 27W などの低出力(スマホ・タブレット充電向け / ノート PC を動作中に充電し続けるのは難しい)

たとえば本サイト掲載モデルの Gigabyte AORUS FO27Q5P は USB-C × 1 を備えますが、PD は 18W に留まるため、本サイト基準では USB-C PD ありとして TRUE 判定していません(DP Alt Mode + 18W PD + データの『軽量シングルケーブル』用途には対応)。一方 Acer Predator X34 F3 の USB-C 65W PD や ASUS ROG Swift OLED PG27UCWM の USB-C 90W PD は、ノート PC を動作中も充電できる水準として TRUE 判定しています。

この 60W しきい値は 本サイト独自の編集基準(実機計測や保証値ではない)であり、メーカー公式仕様の数値そのものを引いた上で、判定の理由を明示しています。

DP Alt Mode と「DisplayPort」「Mini DisplayPort」の違い

USB-C 経由の映像出力は、信号は DisplayPort そのもの ですが、コネクタ形状が異なる だけ、と理解するのが正確です。実用面では以下の差が出ます。

  • USB-C → USB-C(DP Alt Mode):1 本で映像 + データ + 給電。ノート PC + モニターの一体運用に最適
  • USB-C → DisplayPort(変換ケーブル):PC 側が USB-C、モニター側が DP の場合のクロス接続。給電は不可
  • DisplayPort → DisplayPort:給電・USB データなし。映像帯域は USB-C 経路と同等(GPU/モニター双方の DP バージョンに依存)
  • Mini DisplayPort → DisplayPort:物理形状違いだけで信号は同じ。Mini DP は近年減少傾向

DisplayPort と HDMI の世代別帯域は、USB-C 経由でも同じくモニター駆動上限を決めます。

ノート PC 接続でよくある誤解と注意点

USB-C PD + DP Alt Mode は便利な反面、組み合わせで動作が変わる項目が多い規格です。

  • 「USB-C で繋いだのに充電されない」:PC 側が USB-C PD の 入力(Sink)に対応していない ことが原因のケースが大半。USB-C 端子があっても、メーカー公式仕様で「USB-C Power Delivery 対応 / 充電可能」と明示されていない PC もあります
  • 「映像は出るが解像度が制限される」:2 レーンモードに自動で切り替わっている可能性があります。USB ハブを使わない・モニター側 USB 機器を取り外すと 4 レーンモードに戻ることがあります
  • 「ケーブルを変えたら帯域が落ちた」:USB-C ケーブルは仕様の差が大きい(USB 2.0 専用品 / 60W 専用 / 100W 5A 専用 / EPR 240W / Thunderbolt 4 など)。60W 超を給電するケーブルには 5A 対応の e-marker チップ が、UHBR を流すケーブルには認証マーキング が必要です(USB-IF / VESA)
  • 「DP Alt Mode 2.0 対応モニターでも UHBR が出ない」:PC 側の USB-C ポートが Thunderbolt 4 / USB4 でも、DP Alt Mode 2.0 に対応していない世代 の場合は DP 1.4(HBR3)にフォールバックします。Intel Lunar Lake / Arrow Lake 以降、AMD Strix Point 以降、Apple M3 以降などが対応世代の目安ですが、最終確認は PC メーカー公式仕様で行ってください

仕様欄でこう書かれていたら

メーカー公式仕様欄や本サイト製品ページに表示される代表的な表記例の読み方です。

  • USB-C(DP 1.4 + 65W PD + データ) ― DP Alt Mode 1.0(4 レーンモードで DP 1.4)+ 65W 給電 + USB 3.x データを 1 本で扱える。ノート PC を動作中も充電できる水準
  • USB-C(DP 2.1 UHBR20 + 90W PD) ― DP Alt Mode 2.0 で UHBR20(80Gbps)まで対応 + 90W 給電。4K 240Hz / 8K 60Hz 級の映像入力と高性能ノート PC 充電を同時に成立させる構成
  • USB Type-C(データのみ) ― USB データ用(DP Alt Mode 非対応、PD 給電なし)。ハブやストレージ接続用
  • USB-C 18W PD ― 軽量モバイル機器の充電・データ用想定。ノート PC を動作中に充電し続けるのは難しい
  • EPR 140W / 180W / 240W ― USB PD 3.1 EPR の高出力プロファイル。EPR 対応の認証ケーブルが必須

本サイトの記載基準

本サイトでは USB-C PD と DP Alt Mode について以下の基準で記載しています。

  1. 数値は AI で生成しない:PD ワット数・DP 帯域・サポート規格は、メーカー公式仕様または USB-IF / VESA 公式の規格資料に明記された値のみを引用します
  2. 編集部実測なし:ノート PC との接続検証・実給電ワット数は実機計測を行っていません。掲載値はメーカー公式の 公表条件下 での値である旨を明示します
  3. 60W しきい値は編集基準:本サイトのフィルタ・比較表で「USB-C PD あり」と判定する 60W 以上のしきい値は 本サイト独自の編集基準 であり、メーカー公式の認証や保証ではないことを明示します
  4. 最上級表現の回避:「最強の USB-C ハブモニター」「最高の単線接続」等の最上級表現は付与しません
  5. 規格と物理層の区別:USB-C ポートの存在 = DP Alt Mode 対応 + PD 給電対応、ではありません。3 機能(映像 / データ / 給電)の対応可否はそれぞれ独立して仕様欄を確認する必要があります
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