用語の概要
別表記 Linear SwitchTactile SwitchClicky Switchメカニカルスイッチリニア軸タクタイル軸クリッキー軸
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解説
メカニカルキーボードの キースイッチ(軸) は、押下時にどんな感触・音を返すかで大きく 3 系統に分けられます。Cherry MX 公式ブログは『linear と tactile の 2 区分、そして tactile のうち音まで鳴るものを tactile & clicky と呼ぶ』と説明しています(『It is also important to distinguish between tactile and linear key switches. Tactile means that the module has a noticeable and/or audible click point』)。本サイトの用語集でもこの枠組みを用います。
3 系統の違い(公式表記)
| 系統 | 押下感 | 音 | 代表例(公式分類) |
|---|---|---|---|
| リニア(Linear) | 押し始めから底打ちまで抵抗が一定。途中の山なし | 静か | Cherry MX Red / Speed Silver / Black / Razer Yellow |
| タクタイル(Tactile) | アクチュエーション付近に 抵抗の山 がある。底打ち前に「入力された」と分かる | 山を越える小さなコクッ音のみ。クリック音は鳴らない | Cherry MX Brown / Razer Orange |
| クリッキー(Clicky / Tactile & Clicky) | タクタイル感に加えて 金属の弾性音 が鳴る | カチッ/カチャッと明確 | Cherry MX Blue / Razer Green |
Cherry MX Red 公式は『linear (no click)』、MX Brown は『tactile・No click』、MX Blue は『tactile & clicky』、Speed Silver は『linear (no click)』と明記。Razer 公式は『Yellow = Smooth and Silent(Linear)』『Orange = Tactile and Quiet』『Green = Tactile and Clicky』と表記しています。
主要モデルの公式スペック
メーカー公式が開示している アクチュエーション力 / アクチュエーション点 / 総ストローク / 寿命 をそのまま並べると以下の通りです(編集部実機計測値ではありません)。
| 軸 | 系統 | アクチュエーション力 | アクチュエーション点 | 総ストローク | 寿命 |
|---|---|---|---|---|---|
| Cherry MX2A Red | リニア | 45 cN | 2 mm | 4.0 mm | >100 mil. keystrokes |
| Cherry MX2A Speed Silver | リニア(短ストローク) | 45 cN | 1.2 mm | 3.4 mm | >100 mil. keystrokes |
| Cherry MX2A Brown | タクタイル | 45 cN | 2 mm | 4.0 mm | >100 mil. keystrokes |
| Cherry MX2A Blue | クリッキー | 50 cN | 2.2 mm | 4 mm | >50 mil. keystrokes |
| Razer Yellow(Gen-3) | リニア(サウンドダンパー内蔵) | 45 g | 1.2 mm | 3.5 mm | 100M クリック |
| Razer Orange(Gen-3) | タクタイル | 50 g | 2.0 mm | 3.5 mm | 100M クリック |
| Razer Green(Gen-3) | クリッキー | 50 g | 1.9 mm | 4.0 mm | 100M クリック |
注: cN(センチニュートン)と g(重量グラム)はメカニカルスイッチの慣行で おおむね等価 に扱われます(厳密には 1 cN ≒ 1.02 g 重)。各メーカーは公式に上記の単位で開示しています。
どの系統が向くか
- 競技 FPS でラピッドな連打・素早いリセット を重視する人 — 浅いアクチュエーションのリニア軸(Speed Silver / Razer Yellow など)か、もしくは アクチュエーションを任意に詰められる磁気スイッチ(磁気スイッチ・ラピッドトリガー)が向きます。
- 長文タイピング・コーディング を重視する人 — タクタイル軸(Cherry MX Brown / Razer Orange など)の押下点フィードバックは底打ちを避けやすく、誤入力も体感的に減らせます。
- 明確な打鍵音を楽しみたい・タイプライタ的な感触が好み な人 — クリッキー軸(Cherry MX Blue / Razer Green など)が向きますが、配信・通話・夜間使用では音量が大きいと不利です。
注意点
- メカニカル軸の 静音性は系統 ≒ リニア < タクタイル < クリッキー の順で大きくなる のが一般的ですが、同じリニアでも軸メーカーや軸ハウジング、潤滑(ファクトリールブ)の有無で実音は異なります。公式に『○○ dB』表記がない以上、本サイトは音量を断定しません。
- 表内の 寿命表記は公式キーストローク数(例: Cherry > 100 mil. / Razer 100M) であり、編集部が実機で耐久試験を行った値ではありません。
- 磁気スイッチ・光学スイッチは『リニア寄り』『タクタイル寄り』の感触を持つものもありますが、検知方式が金属接点ではないため、本ページの『メカニカル 3 系統』分類とは別レイヤとして扱います(磁気スイッチ / TMR センサー を参照)。
- ホットスワップ対応キーボードでも、メカニカル軸(MX 互換)と磁気軸・光学軸はピン形状・センサー側構造が異なり相互に挿し替え不可 です(ホットスワップ を参照)。
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参照元(一次ソース)
本用語の説明は次の一次ソース(規格団体・メーカー公式資料など)を参照しています。
- 出典: Cherry MX SWITCHES AT A GLANCE(公式ブログ/linear と tactile の区別、MX Blue は tactile-clicky と分類)
- 出典: Cherry MX2A Red 公式(linear / 45 cN / 2 mm / 4.0 mm / >100 mil. keystrokes)
- 出典: Cherry MX2A Brown 公式(tactile・No click / 45 cN / 2 mm / 4.0 mm / >100 mil. keystrokes)
- 出典: Cherry MX2A Blue 公式(tactile & clicky / 50 cN / 2.2 mm / 4 mm / >50 mil. keystrokes)
- 出典: Cherry MX2A Speed Silver 公式(linear / 45 cN / 1.2 mm / 3.4 mm / >100 mil. keystrokes)
- 出典: Razer Mechanical Switches 公式(Gen-3 / Yellow Linear・Orange Tactile・Green Clicky のアクチュエーション点/力/総ストローク/100M 寿命)