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キーキャップ プロファイル(Cherry / OEM / SA / DSA / XDA / MT3)

キーキャップの『プロファイル』は、母材や印字方式とは別レイヤの『高さ・段差(Sculpted / Uniform)・上面の窪み形状(Cylindrical 円筒 / Spherical 球面 / Flat)』の組合せで決まる規格です。Cherry / OEM / SA / DSA / XDA / DSS / DCS / MT3 などが代表で、完成品ゲーミングキーボードでは OEM がストック、自作・カスタム層では Cherry / SA / MT3 / XDA が人気です。

GLOSSARY

用語の概要

別表記 Keycap ProfileCherry ProfileOEM ProfileSA ProfileDSA ProfileXDA ProfileDCSDSSMT3 ProfileHi-Profile KeycapLow Profile KeycapUniform ProfileSculpted ProfileキーキャッププロファイルプロファイルCherry プロファイルOEM プロファイルSA プロファイルXDA プロファイル

関連用語
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DEFINITION

解説

キーキャップの プロファイル(profile) は、母材(ABS / PBT)や印字方式(ダブルショット / ダイサブ)とは別レイヤの 「キーの形」 を決める規格です。具体的には次の 3 軸の組合せです。

  1. 全体高さ — Hi(高)/Medium(中)/Low(低)
  2. 段差 — 行ごとに高さと角度を変える Sculpted(スカルプト・段差あり) か、すべての行を同形状にする Uniform(ユニフォーム)
  3. 上面の窪み形状 — Cylindrical(円筒形・指の幅方向だけ凹む)/Spherical(球面・指の位置で四方が凹む)/Flat(平面)

これらの違いは打鍵感と打鍵音、視覚的な高さ感、上面のホールド感に直接効きます。スイッチ軸(リニア / タクタイル / クリッキー)や スタビライザー と独立に選べる 第 3 のフィール要素 です。

代表的なプロファイルの比較表

完成品ゲーミングキーボードに使われやすい OEM / Cherry と、自作・カスタム層で人気の SA / DSA / XDA / MT3 を Signature Plastics 公式表記+業界リファレンスで整理します。

プロファイル全体高さ段差上面形状主な出自
OEM中(業界一般値: 約 11.9mm)Sculpted(R1 → R4 で高さ・角度が変化)CylindricalOriginal Equipment Manufacturer。Razer / Corsair / Logitech 等の完成品ストック標準
Cherry低〜中(業界一般値: R1 ~9.4mm / R2 ~9.0mm / R3 ~8.75mm / R4 ~8.1mm)SculptedCylindricalCherry 社が設計し GMK が継承生産する『本家 Cherry profile』
SA高(Signature Plastics 公式『High profile』)Sculpted(行ごとに angle が異なる代表 R1 / R2 / R3 / R4)SphericalSignature Plastics SA(Spherical, All rows)— SP 最初の keycap family
DSA中(SP 公式『Medium profile』)Non-sculptured(全行同形状 = Uniform)SphericalSignature Plastics DSA
XDA中(Uniform)Non-sculptured(Uniform)Spherical(DSA より上面広い)XDA は EnjoyPBT / Signature Plastics 等が生産。Uniform プロファイルとして人気
DCS中(SP 公式『Medium profile』)SculptedCylindricalSignature Plastics DCS
DSS中(SP 公式『Medium profile』)SculptedSphericalSignature Plastics DSS(DSA を sculpted 化した位置づけ)
MT3高(Matt3o 公式・SA より僅かに低く dish はやや深め)Sculpted(R3 を平行に置く設計)Spherical(深い dish)Matt3o が Drop(旧 Massdrop)と共同設計。IBM beamspring 風だがクローンではない

上表のうち mm 単位の数値は業界リファレンス(yuzukeycaps 等)に基づく一般値 であり、Signature Plastics 公式の Keycap Family Specs ページは『low / medium / high profile』『cylindrical / spherical / flat top』『sculptured / non-sculptured』までの 形状分類 を提示しています。本サイトは個別ロット・個別キャップを実測していないため、編集部実機計測値ではありません。

Sculpted(段差あり) vs Uniform(段差なし)

Sculpted(スカルプト) = 行ごとに高さと角度が異なる構造(OEM / Cherry / SA / DCS / DSS / MT3)。指のホームポジション中心に手のひらが自然に座る形状。各行ごとに専用 mold が必要なため、キーキャップは R1 / R2 / R3 / R4 のような row 指定 で販売されます。

Uniform(ユニフォーム) = 全行が同形状(DSA / XDA / G20 / F10)。Signature Plastics の DSA 公式表記は『Medium profile, spherical top, non-sculptured』、G20 / F10 は『Medium profile, flat top, non-sculptured』です。Uniform プロファイルは キー位置を入れ替えても見た目に違和感が出ない のが利点で、Ortholinear(格子配列)・Planck・Preonic 等の特殊配列でも使いやすいのが特長です。

Cylindrical(円筒)と Spherical(球面)の違い

上面の窪み形状で「指のホールド感」が変わります。

  • Cylindrical(円筒形) — 指の幅方向(左右)だけ凹む形状。OEM / Cherry / DCS が該当。指の腹が左右に滑りにくい一方、奥行き方向(前後)は平面なので指を前後にずらしやすい
  • Spherical(球面・お椀型) — 上面が四方から凹む形状。SA / DSA / XDA / DSS / MT3 が該当。指先が窪みの中心に吸い込まれるようなホールド感が出る
  • Flat(平面) — G20 / F10 / 一部のロープロファイル keycap。指の前後左右移動に最も自由度が高い

GMK 公式は CYL(= Cherry profile)を 『Different heights and angles as well as an ergonomic, cylindrical key shape that guarantees a comfortable typing experience.』 と説明しており、これは「Sculpted × Cylindrical」の代表的記述です。

完成品ゲーミングキーボードの実態 — OEM がストック標準

Razer / Corsair / Logicool / SteelSeries / Ducky 等の 完成品メカニカル / 磁気スイッチキーボードのストック keycap はほぼ OEM プロファイル です(業界一般理解)。スペック表に 「OEM profile」と明示しているメーカー もあれば、profile を明示せず素材と印字方式(PBT ダブルショット / ABS ダブルショット / ダイサブ)だけを記載するメーカーもあります。

上記は完成品ゲーミングキーボード市場の 業界一般傾向 であり、本サイトはすべての SKU を実機検証していません。プロファイル表記の有無はメーカー公式 spec ページで個別確認してください。

Cherry profile は『本家』と『クローン』が分かれる

Cherry profile の 本家ライン は Cherry 社の金型から派生し、ドイツの GMK が継承生産するダブルショット ABS keycap が代表です。GMK 公式は自社の CYL シリーズを『The original “Cherry profile”』『1.5mm thick keycaps』『doubleshot legends will never fade』と明記しています。

一方、Cherry profile と同等の高さ・段差・cylindrical top を持つ クローン(互換) が KBDfans / EPBT / ePBT / Akko / Keychron 等から PBT ダブルショット / PBT ダイサブ で多数販売されており、こちらのほうが入手性・価格・カラーバリエーションで有利です。形状は Cherry profile 互換でも、母材と印字方式が違えば打鍵音と耐久が変わる ため、母材選びは別レイヤで考えてください(→ キーキャップの素材と印字方式)。

SA profile の特徴と注意点

Signature Plastics 公式の 『The Origin of SP Keycap Families』 によれば、SA は 『Spherical All rows』 の略で、SP 社が最初に作った keycap family です。Hi-profile(業界では 約 16.5mm と言及されることが多い) の球面 sculpted で、レトロな見た目と独特の音響特性で自作層の支持が厚い反面、前腕の角度が浅い PC デスクではタイプし疲れる との指摘もあります。SA は 行ごとに高さが大きく違う ため、購入時は キット内の Row 構成(R1 / R2 / R3 / R4 / R5 + Spacebar)が手持ちレイアウトをカバーしているか の確認が必須です。

MT3 profile は『SA クローンではない』

Drop(旧 Massdrop)と Matt3o が共同設計した MT3 は、見た目が SA に近いため『SA クローン』と誤解されがちですが、設計者の Matt3o 自身が 『MT3 is NOT a Signature Plastic SA clone! It has been designed from scratch』 と明言しています。IBM beamspring 端末 を視覚的インスピレーション源としつつ独自設計で、PBT dye-sub 仕様を中心に展開されています(一部セットは ABS doubleshot)。Matt3o は 『R3(ホーム行)の top side が机面と平行になる』 設計を MT3 の特徴として挙げており、これは現代キーボードの 5〜7 度傾斜とは異なる点です。

どのプロファイルを選ぶか — 判断軸

完成品ゲーミングキーボードユーザーから自作・カスタム層へ進む際、プロファイル選びの判断軸は次のとおりです。

  • ストック(OEM)から大きく変えたくない → Cherry profile(OEM より低めで Sculpted Cylindrical / 移行違和感が小さい)
  • 打鍵音と独特の見た目を楽しみたい → SA / MT3(Hi-profile sculpted spherical)
  • キー入れ替えや Ortholinear 配列で運用したい → DSA / XDA(Uniform)
  • ロープロファイル軸(Cherry MX LP / Kailh Choc)を使う → 各軸メーカー指定のロープロファイル keycap が必須(本ページの 6 系統とは別カテゴリ)
  • キーボード筐体高さで悩んでいる → プロファイルだけでなく筐体側のリストレストの有無 / キーボード レイアウト(60% / TKL / Full)も並行検討

本サイトはキーボードを 編集部実機で打鍵比較していません。打鍵感の評価は個人の指長・タイピング姿勢・キースイッチ / スタビライザー / 筐体材質 / マウント方式 でも大きく変わるため、可能であれば店頭・友人キーボード等での試打が最終判断には有効です。

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