用語の概要
別表記 Low Profile SwitchLow-Profile Mechanical Switchロープロロープロファイル軸Cherry MX LPMX Low ProfileCherry MX Low Profile 2.0Cherry MX ULPMX Ultra Low ProfileKailh ChocKailh PG1350Kailh PG1353Choc V1Choc V2Gateron Low Profile 2.0Gateron KS-33Logitech GL SwitchGL LinearGL TactileGL Clicky
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解説
ロープロファイル メカニカルスイッチ は、Cherry MX 標準軸より 背を下げた専用形状 で設計されたメカニカル軸の総称です。スイッチ全高そのものを切り詰めるため、キーキャップ stem の形状・ステム高さ・PCB 取付ピン配置・キースペーシングまで MX 標準と別系列 で設計されているのが特徴です。本ページでは Cherry MX Low Profile 2.0 / MX Ultra Low Profile・Kailh Choc PG1350 / PG1353・Keychron Gateron Low Profile 2.0・Logitech GL の 4 系列を、各社公式表記の数値だけで横並びに整理します。
軸の3系統(リニア / タクタイル / クリッキー)、キーキャップ プロファイル、ホットスワップ対応 と独立した「キースイッチ自体の形状規格」のレイヤとして読むと整理しやすい用語です。
ロープロファイル軸の中核 3 要素
公式 spec シートで比較可能な要素は概ね次の 3 つです(業界一般理解と各社公式表記の総合)。
| 要素 | 標準 MX 軸(参考) | ロープロファイル軸 |
|---|---|---|
| 全高(PCB 上面〜キャップ装着前のステム上端) | おおむね 18〜19 mm 級 | おおむね 11〜13 mm 級(Cherry 公式は『35% lower overall height compared to standard MX switches』と明示) |
| アクチュエーション距離(pre-travel) | 2.0 mm 起点が多い | 0.8〜1.5 mm 程度に短縮(Cherry MX ULP=0.8 mm / Cherry MX LP 2.0 Speed=1.0 mm / Gateron LP 2.0=1.5±0.5 mm) |
| 総ストローク(total travel) | 4.0 mm 起点が多い | 1.8〜3.2 mm 程度に短縮(Cherry MX ULP=1.8 mm / Cherry MX LP 2.0 Speed=3.2 mm / Gateron LP 2.0=2.75±0.25 mm) |
上表の MX 標準値は本サイト用語集の リニア / タクタイル / クリッキー で扱う MX2A Red / Brown / Blue 公式 の起点値(45 cN / 2 mm / 4 mm 系)から引用しています。ロープロファイル軸は 4 mm を 1.8〜3.2 mm に圧縮し、底打ちまでの時間を短縮する という設計思想の系列です。
公式 spec 横並び — 主要 4 系列
各社公式 spec ページに 明示されている数値だけ を引用します。AI 数値生成・編集部実機計測は一切ありません。
Cherry MX Low Profile 2.0 Speed(Cherry 公式)
Cherry MX Low Profile 2.0 Speed は linear のロープロファイル軸として公式に位置付けられています。同公式ページが明示する数値は次の通りです。
- 操作力 (operating force): 45 cN
- pre-travel: 1 mm
- total travel: 3.2 mm
- キーストローク寿命: > 100 mil. keystrokes guaranteed
- 構造特性: linear(no click / no contact feedback)
- 全高: 標準 MX 軸比で 35% lower overall height
Cherry MX Low Profile 2.0 は MX LP 系列の linear 系の中核 SKU です。公式ブログでは MX LP 系列全体について『slim keyboard design and ergonomic working』を可能にする設計と説明されています。
Cherry MX Ultra Low Profile Tactile / Click(Cherry 公式 Tactile・Cherry 公式 Click)
Cherry MX Ultra Low Profile(MX ULP)は MX LP よりさらに低背の 業界最薄級 MX 系メカニカルスイッチ(Cherry 公式ブログで特許出願済と明示)です。同公式が明示する数値は次の通りです。
| MX ULP variant | 操作力 | pre-travel | total travel | 寿命 | 触感 |
|---|---|---|---|---|---|
| MX Ultra Low Profile Tactile | 65 cN | 0.8 mm | 1.8 mm | > 50 mil. keystrokes | tactile(no click) |
| MX Ultra Low Profile Click | 65 cN | 0.8 mm | 1.8 mm | > 50 mil. keystrokes | tactile + acoustic click |
MX ULP は MX LP より pre-travel をさらに 0.2 mm 削り (1.0 → 0.8 mm)、total travel を約 1.4 mm 削った (3.2 → 1.8 mm) 系列です。公式ブログは『notebook market 向けの新しい patented スタンダード』として位置付けています。MX LP のような linear 主体ではなく tactile / click 中心 のラインアップである点が違います。
Kailh Choc PG1350(Kailh 公式)
Kailh Choc PG1350(Choc V1)はカスタム / 自作キーボード界で広く採用されている代表的ロープロファイル軸です。Kailh 公式 product knowledge ページが明示する内容は次の通りです。
- プロファイル寸法: 15×15×11 mm
- キーキャップ互換: MX キーキャップとは非互換、MX PCB とも非互換(公式テキストで明示)
- 3 ラインアップ: White=click bar with click sound and tactile feeling / Brown=tactile bump but no click / Red=lighter operation force, linear feeling
Choc V1 は MX キーキャップが装着できない独自 stem が特徴で、カスタムキーボードでは MBK / Chocfox / DSA-LP 等の Choc 専用キャップが流通しています。完成品ゲーミングキーボードでは、後述の Logitech GL のように Choc V1 派生形 を採用するメーカー側設計で MX キャップ問題を意識させない形で組み込まれているケースが多い系列です。
Kailh Choc V2(PG1353)系列は『MX-style stem を採用し Choc V1 と部分的に互換』というのが業界一般理解ですが、Kailh 公式 product knowledge ページの 2026-06-10 時点の本文には PG1353 の MX stem 互換性について踏み込んだ表記が確認できなかったため、本ページでは PG1350 の公式表記のみ を引用します。
Keychron — Gateron Low Profile 2.0 KS-33(Keychron 公式)
Keychron K3 Pro / K5 Pro / K1 Pro 等のロープロファイル系で標準採用されている Gateron Low Profile 2.0(KS-33) は、Keychron 公式 product page が次の数値を明示しています。
- 全高: 12.2 mm
- pre-travel: 1.5±0.5 mm
- total travel: 2.75±0.25 mm
- キャップ互換: MX 互換 stem(公式は MX-styled stem with circular dust wall structure と表記)
- 3 ラインアップ操作力 (gf @ actuation):
- Red(linear / silent): 50±15 gf
- Blue(clicky): 52±15 gf
- Brown(tactile): 55±15 gf
Keychron が販売する KS-33 は MX キャップ互換のロープロファイル軸(= Choc V2 / Cherry MX LP と同じ MX-style stem 流派)です。MX キャップ資産を再利用したいユーザー向けの代表選択肢で、Choc V1 のような独自 stem 縛りはありません。
Logitech GL Linear / Tactile / Clicky(Logitech 2019 プレスリリース・Logitech G 公式 G915 X・Logitech 2024 プレスリリース)
Logitech G の GL スイッチ は G915 LIGHTSPEED(2019)以降、ロープロファイル軸として GL Linear / GL Tactile / GL Clicky の 3 ラインアップが公式に明示されています。
| 世代 | 採用機種 | actuation point(Logitech 公式値) |
|---|---|---|
| GL(初代) | G915 LIGHTSPEED / G915 TKL / G815 | 公式プレスリリースは『25% faster actuation (versus 2.0 mm actuation in standard switches)』と明示 = およそ 1.5 mm |
| GL(G915 X 世代 / 2024) | G915 X LIGHTSPEED / G915 X LIGHTSPEED TKL | Logitech G 公式商品ページが『0.05 in (1.3 mm) actuation point』を明示 |
GL 系の total travel と各バリアント (Linear / Tactile / Clicky) の actuation force gf 値 については、本ページでは Logitech 公式プレスリリースおよび Logitech G 公式商品ページ本文に 明示数値の引用元として確認できる箇所が確定しなかった ため、保守的に actuation point のみ を引用しています。購入時は対象 SKU の Logitech G 公式商品ページの TECHNICAL SPECIFICATIONS タブで 各 SKU の variant 名と actuation point の表記 をご確認ください。
4 系列の整理表 — 同じ「ロープロ」でも別物
各系列の 公式表記値 だけを並べると、同じ『ロープロファイル軸』カテゴリでも 数値も互換性もまったく違う 4 つの設計流派 であることが分かります。
| 系列 | 代表 SKU 操作力 | 代表 SKU pre-travel | 代表 SKU total travel | 全高 | MX キャップ互換 | 公式寿命 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| Cherry MX LP 2.0 Speed(linear) | 45 cN | 1.0 mm | 3.2 mm | 35% lower than MX | 公式 spec に明記なし(MX キャップとは異なる MX LP 専用 stem) | > 100 mil. |
| Cherry MX ULP(tactile / click) | 65 cN | 0.8 mm | 1.8 mm | 業界最薄級 | 公式 spec に明記なし(ULP 専用 stem ) | > 50 mil. |
| Kailh Choc V1(PG1350) | 公式 spec に明示なし(ラインアップ名のみ) | 公式 spec に明示なし | 公式 spec に明示なし | 11 mm(プロファイル寸法 15×15×11 mm) | 非互換(MX キャップ非対応 / MX PCB 非対応 を公式明示) | 公式 spec に明示なし |
| Gateron Low Profile 2.0(KS-33)(Keychron 配布) | Red 50 / Blue 52 / Brown 55 ±15 gf | 1.5±0.5 mm | 2.75±0.25 mm | 12.2 mm | MX 互換(公式は『MX-styled stem』と表記) | 公式 spec に明示なし |
| Logitech GL(G915 X 世代) | 各 SKU 公式商品ページ参照 | 1.3 mm(G915 X 公式明示・初代 G915 系は『25% faster than 2.0 mm』) | 各 SKU 公式商品ページ参照 | キーボード全体厚『22 mm』(Logitech 表記) | キャップ自体が Logitech 独自 stem 専用 で他系列のキャップは装着不可 | 公式 spec に明示なし |
上表は AI による生成値ではなく、各社公式 product page / プレスリリース本文の表記 のみを引用しています。『公式 spec に明示なし』の欄はメーカーが公開していない(業界一般理解レベルの値は流通しているが公式値ではない)ことを意味し、本サイトはそこに編集部推測値を入れません。
ロープロファイル軸を選ぶ前に確認したい 5 項目
ロープロファイル軸搭載キーボードを購入・カスタムする際の確認ポイントを、公式 spec ベースで整理します。
- どの系列の軸か(Cherry MX LP / Cherry MX ULP / Kailh Choc V1 / Choc V2 / Gateron LP 2.0 / Logitech GL) — メーカー公式 spec ページで明示されているかを確認。同じ『ロープロファイル』でも軸の物理形状が違うため、ホットスワップ可否や交換可能軸が別物になります
- MX キャップ互換性 — Choc V1(PG1350)は MX キャップ非互換 と公式明示。Cherry MX LP / MX ULP / Logitech GL は 各系列専用 stem。MX 互換 stem を確実に取りたい場合は Gateron Low Profile 2.0(KS-33)系 または Choc V2(PG1353)系を明示するキーボードを選ぶのが原則
- ホットスワップ対応か — ロープロファイル系は MX 用ホットスワップソケットと互換性がない ことが多く、ホットスワップ対応機でも『Gateron Low Profile ホットスワップソケット』『Choc V1 ホットスワップソケット』のように 軸系列固有のソケット指定 が入ります(本サイトの ホットスワップ対応 ページも参照)
- アクチュエーション距離(pre-travel)と total travel — Cherry MX LP 2.0 Speed=1.0 mm / 3.2 mm、Cherry MX ULP=0.8 mm / 1.8 mm、Gateron LP 2.0=1.5±0.5 mm / 2.75±0.25 mm、Logitech GL(G915 X 世代)=1.3 mm。同じロープロ系列でも total travel が 1.8〜3.2 mm まで開く ため、底打ち感は SKU 個別の数値で確認すること
- キーキャップ プロファイルとの組み合わせ — ロープロファイル軸は 背の高い OEM / SA / Cherry プロファイルキャップを物理的に装着できない ため、専用 LP プロファイル(Cherry MX LP 専用キャップ / Choc 専用 MBK・DSA-LP / Logitech GL 専用キャップ)を採用することが前提です(本サイトの キーキャップ プロファイル ページも参照)
上記 5 項目はメーカー公式 spec ページの表記ベースで確認できる範囲です。実打鍵の感触・打鍵音 はキーキャップ素材(PBT / ABS / Double-Shot / Dye-Sub)、スタビライザー、ケースフォーム と複合で決まるため、軸単独で判断しないのが基本です。
よくある混同
| 混同しやすい組 | 違い |
|---|---|
| Cherry MX LP vs Cherry MX ULP | MX LP は標準 MX 比 35% 低背の linear 中心(操作力 45 cN / pre-travel 1.0 mm / total 3.2 mm)、MX ULP は MX LP よりさらに低背の tactile / click 中心(65 cN / 0.8 mm / 1.8 mm)。total travel が約 1.4 mm 違う別系列 で、ノート PC 用途は ULP、デスクトップキーボード用途は LP が中心 |
| Kailh Choc V1(PG1350) vs Choc V2(PG1353) | Choc V1 は MX キャップ非互換(Kailh 公式明示)、Choc V2 は MX-style stem 採用が一般理解。同じ『Choc』表記でも キャップ資産の再利用可否が違う 流派 |
| Gateron Low Profile 2.0(KS-33) vs Kailh Choc | どちらも『ロープロファイル軸』カテゴリだが、Gateron LP 2.0 は MX-style stem(MX キャップ互換)、Kailh Choc V1 は専用 stem(MX キャップ非互換)。完成品キーボードの公式 spec で『MX キャップ互換』表記の有無で見分けるのが確実 |
| Logitech GL vs 他社ロープロファイル軸 | GL は Logitech G 製キーボード専用 の独自軸で、他社ロープロファイル軸(MX LP / Choc / Gateron LP 2.0)と stem 形状・ピン配置・ホットスワップソケットが互換しません |
| ロープロファイル軸 vs ロープロファイルキーキャップ | 軸(switch)は PCB 上のスイッチ本体の物理形状、キーキャップは 指で触れる樹脂部品の形状。両方を揃えて初めて『薄型キーボード』が成立するため、軸だけ・キャップだけの単独比較では判断不能 |
関連ランキング・ガイド
選び方・ランキングで活用する
参照元(一次ソース)
本用語の説明は次の一次ソース(規格団体・メーカー公式資料など)を参照しています。
- 出典: Cherry『MX Low Profile 2.0 Speed』公式(linear / 45 cN / 1 mm pre-travel / 3.2 mm total travel / >100 mil. keystrokes / 標準 MX 比 35% 低背を明示)
- 出典: Cherry『MX Ultra Low Profile Tactile』公式(tactile no click / 65 cN operating force / 0.8 mm pre-travel / 1.8 mm total travel / >50 mil. keystrokes)
- 出典: Cherry『MX Ultra Low Profile Click』公式(tactile + acoustic click / 65 cN / 0.8 mm / 1.8 mm / >50 mil. keystrokes)
- 出典: Cherry『MX Ultra Low Profile』 公式ブログ(業界最薄級 MX 系メカニカルスイッチとして特許出願済を明示)
- 出典: Kailh『Kailh choc switch PG1350 Knowledge』公式(15×15×11 mm profile / MX keycap および MX PCB と非互換を明示・White=click bar / Brown=tactile / Red=linear のラインアップ)
- 出典: Keychron『Gateron Low Profile 2.0 Mechanical Switch』公式(KS-33 / 全高 12.2 mm / pre-travel 1.5±0.5 mm / total 2.75±0.25 mm / Red 50±15gf・Blue 52±15gf・Brown 55±15gf / MX 互換 stem を明示)
- 出典: Logitech 投資家情報『G915 LIGHTSPEED and G815 LIGHTSYNC』2019 公式プレスリリース(GL Linear / GL Tactile / GL Clicky 3 ラインアップ / 25% faster actuation versus 2.0 mm を明示)
- 出典: Logitech G 公式『G915 X LIGHTSPEED Wireless Gaming Keyboard』(GL 低背メカニカルスイッチ 1.3 mm actuation point を明示)
- 出典: Logitech 投資家情報『G915 X Series』2024 公式プレスリリース(actuation point を従来 1.5 mm から 1.3 mm に短縮した旨を明示)