用語の概要
別表記 QMKQMK FirmwareVIAVIA ConfiguratorVialキーボード ファームウェアキーリマップKey Remapキーマップ書き換えLayerレイヤーマクロMacro
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解説
キーボードファームウェア とは、キースイッチの押下を USB / Bluetooth キーコードに変換し、PC・スマートフォン側へ送信するキーボード基板の制御プログラムです。本ページでは、自作キーボード/カスタムキーボード市場を実質的に支える 3 つの代表的なオープンソース実装 — QMK(ファームウェア本体)/VIA(QMK 対応キーボードの GUI 設定ツール)/Vial(QMK フォークの GUI 設定ツール、リアルタイム書き換え対応) — を、各公式の verbatim 表記を基に整理します。
本ページは オープンソースキーボードファームウェアの一般理解+各公式 spec/トップページ表記の総合 であり、編集部による実機リマップ動作検証ではありません。機種ごとの QMK / VIA / Vial サポート状況は世代・ファームウェアバージョン・SKU で大きく異なる ため、購入前には必ずメーカー公式の最新 spec ページで対応可否を確認してください。
3 実装を 1 表で並べる
各プロジェクトのトップページに記載された 公式 verbatim をそのまま並べます。
| 項目 | QMK | VIA | Vial |
|---|---|---|---|
| 位置付け(公式 verbatim) | 『Open-source keyboard firmware for Atmel AVR and Arm USB families』 | 『Your keyboard’s best friend』 | 『Vial is a feature-rich open-source cross-platform (Windows, Linux and Mac) GUI and a QMK fork for configuring your keyboard in real time.』 |
| 対応キーボード数(公式 verbatim) | 『Supporting over 3000 keyboards, with compatibility expanding frequently.』 | 『Compatible with 1400+ keyboards and easily added to other QMK keyboards.』 | (Vial 公式トップでは具体的な対応台数の明示なし/『Vial-compatible』として個別キーボードページに記載) |
| 設定方式 | C ソース(keymap.c)でキーマップ・レイヤー・マクロを記述し、コンパイル → ファームウェアを フラッシュ書き込み | ブラウザ/デスクトップアプリの GUI でリマップ。プロジェクト方針として『Plug in your keyboard. It’s that easy.』 | GUI で リアルタイム書き換え を公式に標榜。フラッシュ書き込みを伴わずに設定変更可能 |
| QMK との関係 | 本体 | QMK 互換キーボードの GUI 設定レイヤ(QMK 上に動的キーマップ機能 = VIA Support を組み込んで使用) | QMK フォーク — QMK の派生で、リアルタイム書き換えのために独自拡張を追加 |
| ライセンス/公開状況 | オープンソース(GPL-2.0 系、QMK Firmware リポジトリ) | オープンソース(QMK プロジェクトの一部としてリマップ用動的キーマップ機能を提供) | 『Vial is a completely open project with sources for all components publicly available on GitHub.』 |
| 出典 | qmk.fm | caniusevia.com | get.vial.today |
上記引用はすべて各公式トップページ(2026-06-13 時点)の verbatim です。対応キーボード数は刻々と変動する ため、本記事も次サイクル以降で同じ verbatim を再確認していきます。QMK = ファームウェア本体/VIA・Vial = その上で動く GUI 設定ツール という構造を押さえると、機種選定の整理が一気に楽になります。
QMK — オープンソース キーボードファームウェアの本体
QMK Firmware は、自作・カスタムキーボード/一部完成品キーボード基板で広く採用されているオープンソースのキーボードファームウェアです。公式トップページは自身を次のように紹介しています(2026-06-13 時点)。
『Open-source keyboard firmware for Atmel AVR and Arm USB families.』 (QMK Firmware 公式)
『Supporting over 3000 keyboards, with compatibility expanding frequently.』 (QMK Firmware 公式)
QMK は、対象基板向けに C ソース(keymap.c / keyboard.json 等) でキーマップ・レイヤー・マクロ・LED・ロータリーエンコーダ等の挙動を記述し、コンパイルしてマイコンに フラッシュ書き込み することで挙動を確定させる流派です。書き換えごとに 新しいファームウェアを再ビルドして書き込む 必要があるため、頻繁なキーリマップにはあとで述べる VIA / Vial のような GUI レイヤを併用するのが一般的です。
QMK は本ページ作成時点で Atmel AVR と Arm USB family を公式の対象として挙げています。完成品ゲーミングキーボード市場では Keychron(Q シリーズ / V シリーズ / K Pro シリーズ等)が QMK 対応 を spec ページで明示しており、Razer / Logitech G / SteelSeries / Corsair 等の主要ゲーミングブランドは 専用ソフトウェア(Razer Synapse / Logitech G HUB / SteelSeries GG / Corsair iCUE 等)を使う流派で、QMK / VIA / Vial とは別系統です。
VIA — 『プラグインしてリマップ』の GUI
VIA は QMK 互換キーボード向けのリマップ用 GUI ツール で、公式トップページは自身を次のように紹介しています(2026-06-13 時点)。
『Your keyboard’s best friend.』 (VIA 公式)
『Compatible with 1400+ keyboards and easily added to other QMK keyboards.』 (VIA 公式)
『Plug in your keyboard. It’s that easy.』 (VIA 公式)
VIA は QMK ファームウェア側に『VIA Support』を組み込んだキーボード に対し、ブラウザ/デスクトップアプリ GUI 経由でキーマップ・レイヤー・マクロを動的に書き換えるツールです。書き換え時に C ソースを再コンパイルする必要がなく、キーボードをプラグインすれば GUI 上でドラッグ&ドロップ的にキーを置き換えられます。書き換え後の設定はキーボード本体の不揮発メモリに書き込まれ、PC を変えても挙動が保持されます。
VIA は QMK のサブセット機能を GUI 化したレイヤ であり、QMK の全機能を GUI から触れるわけではありません。複雑なマクロ・カスタム関数・タップダンス等を 限界まで詰めたい 場合は QMK 本体側で
keymap.cを編集 → 再ビルド → 書き込み という伝統的な流派に戻る必要があります。
Vial — QMK フォークの『リアルタイム書き換え』GUI
Vial は QMK のフォーク をベースに、GUI からリアルタイムでキー設定を書き換えられることを公式に標榜するプロジェクトです(2026-06-13 時点)。
『Vial is a feature-rich open-source cross-platform (Windows, Linux and Mac) GUI and a QMK fork for configuring your keyboard in real time.』 (Vial 公式)
『Vial is a completely open project with sources for all components publicly available on GitHub.』 (Vial 公式)
Vial は VIA と同様に GUI 経由でリマップ できますが、QMK 本体ではなく QMK のフォーク を基盤としており、対応のためには キーボードファームウェア側を『Vial-compatible』として配布 する必要があります。タップダンス・コンボ・QMK のセキュアレベル制御など VIA 単体では触りにくい機能 に GUI からアクセスできることが多く、自作・カスタムキーボード界隈で支持を伸ばしています。
Vial は Windows / Linux / Mac の クロスプラットフォーム 対応を公式に明示しており、ブラウザ実行版(WebUSB)と デスクトップアプリ の双方の配布形態を持ちます。Vial-compatible であるかどうかはキーボード基板側のファームウェア配布元の表記で判断する必要があり、同じ機種でも『QMK 対応』『QMK + VIA 対応』『Vial 対応』はそれぞれ別の判定軸 です。
完成品ゲーミングキーボードの公開粒度の差
マウント方式の整理 と同様に、ファームウェア対応の公開粒度 もメーカーによって差があります。
| メーカー/系統 | QMK / VIA / Vial の公開粒度 |
|---|---|
| Keychron(Q シリーズ / V シリーズ / K Pro シリーズ等) | 製品名に『QMK/VIA』を冠する SKU が多く、spec ページで対応を明示。Keychron Q1 Pro QMK/VIA Wireless Custom Mechanical Keyboard がその典型 |
| Wooting(80HE / 60HE v2 等) | 専用ソフトウェア『Wootility』 を spec で明示し、QMK / VIA / Vial 系とは別流派 — 磁気スイッチの連続深度センシング・ラピッドトリガー設定を Wootility で実装 |
| Razer(Huntsman V3 Pro / BlackWidow V4 等) | 専用ソフトウェア『Razer Synapse』 を spec で明示。Razer 系は QMK / VIA / Vial 公式対応の明示なし |
| SteelSeries(Apex Pro Gen 3 等) | 専用ソフトウェア『SteelSeries GG』(旧 SteelSeries Engine)を spec で明示。SteelSeries 系も QMK / VIA / Vial 公式対応の明示なし |
| Logitech G(G Pro X TKL 等) | 専用ソフトウェア『Logitech G HUB』 を spec で明示。Logitech G 系も QMK / VIA / Vial 公式対応の明示なし |
| Corsair(K70 等) | 専用ソフトウェア『Corsair iCUE』 を spec で明示。Corsair 系も QMK / VIA / Vial 公式対応の明示なし |
完成品ゲーミングキーボード市場では、QMK / VIA / Vial 対応は主にカスタムキーボード寄りのメーカー(Keychron / GMMK / NuPhy / Drop 等)の流派 で、Razer / SteelSeries / Logitech G / Corsair 等の主要ゲーミングブランドは『専用ソフトウェア × 専用ファームウェア』の流派 が多数派です。ラピッドトリガー や SOCD 系機能 は専用ソフト側で実装されるため、リマップ自由度(QMK / VIA / Vial)と FPS 競技機能(ラピトリ / SOCD)は別の選定軸として考えるのが現実的です。
QMK / VIA / Vial の使い分け — 業界一般理解
各実装の 得意領域 を、自作・カスタムコミュニティの一般理解として整理します。
| 軸 | QMK 本体(再ビルド派) | VIA(GUI リマップ派) | Vial(GUI +リアルタイム派) |
|---|---|---|---|
| 学習コスト | 高(C ソース・ビルド環境) | 低(プラグインで即起動) | 低(プラグインで即起動) |
| 書き換え頻度 | 確定後はあまり変えない用途向き | 日常的にレイヤを試行錯誤する用途 | 日常的にレイヤを試行錯誤する用途 |
| 書き換え時のフラッシュ | 必要(毎回) | 不要(動的キーマップに書き込み) | 公式に『real time』を標榜 |
| タップダンス/コンボ | フル対応(C で記述) | 限定対応(バージョン依存) | 公式に GUI から対応 |
| マクロ | フル対応(C で記述) | GUI から記録/編集 | GUI から記録/編集 |
| 対象キーボード数(公式 verbatim) | 3000 以上(qmk.fm) | 1400 以上(caniusevia.com) | 公式数値は明示なし/個別 spec で『Vial-compatible』 |
完成品ゲーミングキーボードを そのまま使う 範囲では、専用ソフト(Razer Synapse / SteelSeries GG / Logitech G HUB / Corsair iCUE / Wootility)で十分 に収まるケースが多数です。深いレイヤ設計・マクロ・タップダンス・コンボを GUI で詰めたい 場合は VIA / Vial 対応の Keychron Q シリーズ 等を選ぶ流派が有効で、さらに自前で C ソースを書きたい 場合は QMK 本体対応 の機種を選ぶことになります。
用語の混同注意
| 混同しやすい組 | 違い |
|---|---|
| QMK vs VIA | QMK はファームウェア本体(C ソース+ビルド+フラッシュ)、VIA は QMK 互換キーボード向け GUI 設定ツール。VIA を使うには QMK 側に『VIA Support』が組み込まれている 必要がある |
| VIA vs Vial | 同じ『GUI でキーリマップ』でも、VIA は QMK 本体の動的キーマップ機能を GUI 化、Vial は QMK のフォーク を基盤とし『real time』書き換えを公式に標榜。両者は別プロジェクトで、同じキーボードが両対応しているとは限らない |
| QMK 対応 vs VIA 対応 | QMK 対応 ≠ VIA 対応。QMK 本体には対応していても 『VIA Support』のビルドオプション を組み込まないと VIA からは認識されない |
| Vial-compatible vs VIA-compatible | キーボード基板側のファームウェア配布元での表記。同じ機種でも『Vial-compatible』だけ/『VIA-compatible』だけ/両方 のパターンがある |
| ファームウェア書き換え vs キーリマップ | ファームウェア書き換え は基板のマイコンに新しい挙動を焼き込む作業(QMK 流派の通常運用)、キーリマップ は焼き込まれた挙動の範囲内でキー対応を動的に書き換える作業(VIA / Vial 流派の通常運用)。混同しやすいが、後者は 不揮発メモリ上のテーブルを書き換えるだけ で、ファームウェア本体は変えていない |
| QMK vs 専用ソフトウェア(Razer Synapse / G HUB / iCUE / SteelSeries GG / Wootility) | QMK / VIA / Vial はオープンソース系の流派、専用ソフトは メーカー独自実装。両者は別系統で、専用ソフト対応機種に後から QMK / VIA / Vial を入れることは原則できない(基板側のマイコン・ファームウェアが固有のため) |
| キーリマップ vs マクロ vs レイヤー | キーリマップ は『この物理キーを別のキーコードに置き換える』、マクロ は『1 押しで複数キーコードを送信する』、レイヤー は『Fn キー等で別のキーマップに切り替える』。3 つはまとめて GUI で扱えることが多いが、機能粒度として別物 |
QMK / VIA / Vial 対応キーボードを選ぶ際の確認 5 項目
完成品ゲーミングキーボード/カスタムキーボードを購入する際の 公式 spec 確認項目 をまとめます。
- 対応ファームウェア種別の明記 — 公式 spec に『QMK 対応』『VIA 対応』『Vial-compatible』のいずれが書かれているか。複数記載がある場合は どの組み合わせか まで確認(QMK のみ / QMK+VIA / QMK+VIA+Vial / Vial 単独 などのパターンが存在)
- ホットスワップ対応の有無 — ファームウェア対応とは 別軸 で、スイッチを差し替えたい場合は ホットスワップ 対応かを別途確認
- ワイヤレス時のリマップ可否 — 有線接続時のみ QMK / VIA / Vial 対応 で、Bluetooth / 2.4GHz 接続中はリマップできない機種が存在。Keychron Q1 Pro のようにワイヤレスでも対応する SKU もある
- 配列・キー数 — 60% / 65% / 75% / TKL / フルサイズ等の キーボードレイアウト によって レイヤー設計の発想が変わる。コンパクトレイアウトほど レイヤー / Fn キー設計の自由度 が選定の決め手になりやすい
- ラピッドトリガー/SOCD 等の競技機能の実装場所 — ラピッドトリガー や SOCD / Snap Tap はメーカー専用ソフト側で実装されることが多く、QMK / VIA / Vial 対応 ≠ 競技機能対応 の場合がある
完成品ゲーミングキーボードの公式 spec ページに QMK / VIA / Vial の対応有無を明記している例は、Keychron 等のカスタム寄りメーカーに偏る 傾向があります。Razer / SteelSeries / Logitech G / Corsair / Wooting は専用ソフトウェアによる設定 が前提で、本ページで扱った 3 実装とは別の流派です。本サイトでは 公式 spec ページの一次表記 を優先し、QMK / VIA / Vial の対応可否は メーカー公式 spec の verbatim 表記 に基づいて記述する方針を取っています。
選び方・ランキングで活用する
参照元(一次ソース)
本用語の説明は次の一次ソース(規格団体・メーカー公式資料など)を参照しています。
- 出典: QMK Firmware 公式(『Open-source keyboard firmware for Atmel AVR and Arm USB families』『Supporting over 3000 keyboards, with compatibility expanding frequently.』を明示)
- 出典: VIA 公式(『Your keyboard's best friend』『Compatible with 1400+ keyboards and easily added to other QMK keyboards.』『Plug in your keyboard. It's that easy.』を明示)
- 出典: Vial 公式(『Vial is a feature-rich open-source cross-platform (Windows, Linux and Mac) GUI and a QMK fork for configuring your keyboard in real time.』『Vial is a completely open project with sources for all components publicly available on GitHub.』を明示)
- 出典: Keychron Q1 Pro QMK/VIA Wireless Custom Mechanical Keyboard 公式(製品名そのものに『QMK/VIA』を冠し、QMK/VIA 対応を spec で明示)