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キーボードファームウェア(QMK / VIA / Vial)

QMK は Atmel AVR / Arm USB 系のオープンソースキーボードファームウェア、VIA は QMK ベースのリマップ GUI、Vial は QMK フォークによる『リアルタイム書き換え』対応 GUI。完成品ゲーミングキーボードのうち Keychron Q シリーズなどがメーカー公式 spec で QMK/VIA 対応を明示しています。

GLOSSARY

用語の概要

別表記 QMKQMK FirmwareVIAVIA ConfiguratorVialキーボード ファームウェアキーリマップKey Remapキーマップ書き換えLayerレイヤーマクロMacro

関連用語
16
出典
4
最終更新
DEFINITION

解説

キーボードファームウェア とは、キースイッチの押下を USB / Bluetooth キーコードに変換し、PC・スマートフォン側へ送信するキーボード基板の制御プログラムです。本ページでは、自作キーボード/カスタムキーボード市場を実質的に支える 3 つの代表的なオープンソース実装 — QMK(ファームウェア本体)/VIA(QMK 対応キーボードの GUI 設定ツール)/Vial(QMK フォークの GUI 設定ツール、リアルタイム書き換え対応) — を、各公式の verbatim 表記を基に整理します。

本ページは オープンソースキーボードファームウェアの一般理解+各公式 spec/トップページ表記の総合 であり、編集部による実機リマップ動作検証ではありません。機種ごとの QMK / VIA / Vial サポート状況は世代・ファームウェアバージョン・SKU で大きく異なる ため、購入前には必ずメーカー公式の最新 spec ページで対応可否を確認してください。

3 実装を 1 表で並べる

各プロジェクトのトップページに記載された 公式 verbatim をそのまま並べます。

項目QMKVIAVial
位置付け(公式 verbatim)Open-source keyboard firmware for Atmel AVR and Arm USB familiesYour keyboard’s best friendVial is a feature-rich open-source cross-platform (Windows, Linux and Mac) GUI and a QMK fork for configuring your keyboard in real time.
対応キーボード数(公式 verbatim)Supporting over 3000 keyboards, with compatibility expanding frequently.Compatible with 1400+ keyboards and easily added to other QMK keyboards.(Vial 公式トップでは具体的な対応台数の明示なし/『Vial-compatible』として個別キーボードページに記載)
設定方式C ソース(keymap.c)でキーマップ・レイヤー・マクロを記述し、コンパイル → ファームウェアを フラッシュ書き込みブラウザ/デスクトップアプリの GUI でリマップ。プロジェクト方針として『Plug in your keyboard. It’s that easy.GUI で リアルタイム書き換え を公式に標榜。フラッシュ書き込みを伴わずに設定変更可能
QMK との関係本体QMK 互換キーボードの GUI 設定レイヤ(QMK 上に動的キーマップ機能 = VIA Support を組み込んで使用)QMK フォーク — QMK の派生で、リアルタイム書き換えのために独自拡張を追加
ライセンス/公開状況オープンソース(GPL-2.0 系、QMK Firmware リポジトリ)オープンソース(QMK プロジェクトの一部としてリマップ用動的キーマップ機能を提供)Vial is a completely open project with sources for all components publicly available on GitHub.
出典qmk.fmcaniusevia.comget.vial.today

上記引用はすべて各公式トップページ(2026-06-13 時点)の verbatim です。対応キーボード数は刻々と変動する ため、本記事も次サイクル以降で同じ verbatim を再確認していきます。QMK = ファームウェア本体/VIA・Vial = その上で動く GUI 設定ツール という構造を押さえると、機種選定の整理が一気に楽になります。

QMK — オープンソース キーボードファームウェアの本体

QMK Firmware は、自作・カスタムキーボード/一部完成品キーボード基板で広く採用されているオープンソースのキーボードファームウェアです。公式トップページは自身を次のように紹介しています(2026-06-13 時点)。

Open-source keyboard firmware for Atmel AVR and Arm USB families.』 (QMK Firmware 公式

Supporting over 3000 keyboards, with compatibility expanding frequently.』 (QMK Firmware 公式

QMK は、対象基板向けに C ソース(keymap.c / keyboard.json 等) でキーマップ・レイヤー・マクロ・LED・ロータリーエンコーダ等の挙動を記述し、コンパイルしてマイコンに フラッシュ書き込み することで挙動を確定させる流派です。書き換えごとに 新しいファームウェアを再ビルドして書き込む 必要があるため、頻繁なキーリマップにはあとで述べる VIA / Vial のような GUI レイヤを併用するのが一般的です。

QMK は本ページ作成時点で Atmel AVR と Arm USB family を公式の対象として挙げています。完成品ゲーミングキーボード市場では Keychron(Q シリーズ / V シリーズ / K Pro シリーズ等)が QMK 対応 を spec ページで明示しており、Razer / Logitech G / SteelSeries / Corsair 等の主要ゲーミングブランドは 専用ソフトウェア(Razer Synapse / Logitech G HUB / SteelSeries GG / Corsair iCUE 等)を使う流派で、QMK / VIA / Vial とは別系統です。

VIA — 『プラグインしてリマップ』の GUI

VIAQMK 互換キーボード向けのリマップ用 GUI ツール で、公式トップページは自身を次のように紹介しています(2026-06-13 時点)。

Your keyboard’s best friend.』 (VIA 公式

Compatible with 1400+ keyboards and easily added to other QMK keyboards.』 (VIA 公式

Plug in your keyboard. It’s that easy.』 (VIA 公式

VIA は QMK ファームウェア側に『VIA Support』を組み込んだキーボード に対し、ブラウザ/デスクトップアプリ GUI 経由でキーマップ・レイヤー・マクロを動的に書き換えるツールです。書き換え時に C ソースを再コンパイルする必要がなく、キーボードをプラグインすれば GUI 上でドラッグ&ドロップ的にキーを置き換えられます。書き換え後の設定はキーボード本体の不揮発メモリに書き込まれ、PC を変えても挙動が保持されます。

VIA は QMK のサブセット機能を GUI 化したレイヤ であり、QMK の全機能を GUI から触れるわけではありません。複雑なマクロ・カスタム関数・タップダンス等を 限界まで詰めたい 場合は QMK 本体側で keymap.c を編集 → 再ビルド → 書き込み という伝統的な流派に戻る必要があります。

Vial — QMK フォークの『リアルタイム書き換え』GUI

VialQMK のフォーク をベースに、GUI からリアルタイムでキー設定を書き換えられることを公式に標榜するプロジェクトです(2026-06-13 時点)。

Vial is a feature-rich open-source cross-platform (Windows, Linux and Mac) GUI and a QMK fork for configuring your keyboard in real time.』 (Vial 公式

Vial is a completely open project with sources for all components publicly available on GitHub.』 (Vial 公式

Vial は VIA と同様に GUI 経由でリマップ できますが、QMK 本体ではなく QMK のフォーク を基盤としており、対応のためには キーボードファームウェア側を『Vial-compatible』として配布 する必要があります。タップダンス・コンボ・QMK のセキュアレベル制御など VIA 単体では触りにくい機能 に GUI からアクセスできることが多く、自作・カスタムキーボード界隈で支持を伸ばしています。

Vial は Windows / Linux / Mac の クロスプラットフォーム 対応を公式に明示しており、ブラウザ実行版(WebUSB)と デスクトップアプリ の双方の配布形態を持ちます。Vial-compatible であるかどうかはキーボード基板側のファームウェア配布元の表記で判断する必要があり、同じ機種でも『QMK 対応』『QMK + VIA 対応』『Vial 対応』はそれぞれ別の判定軸 です。

完成品ゲーミングキーボードの公開粒度の差

マウント方式の整理 と同様に、ファームウェア対応の公開粒度 もメーカーによって差があります。

メーカー/系統QMK / VIA / Vial の公開粒度
Keychron(Q シリーズ / V シリーズ / K Pro シリーズ等)製品名に『QMK/VIA』を冠する SKU が多く、spec ページで対応を明示。Keychron Q1 Pro QMK/VIA Wireless Custom Mechanical Keyboard がその典型
Wooting(80HE / 60HE v2 等)専用ソフトウェア『Wootility』 を spec で明示し、QMK / VIA / Vial 系とは別流派 — 磁気スイッチの連続深度センシング・ラピッドトリガー設定を Wootility で実装
Razer(Huntsman V3 Pro / BlackWidow V4 等)専用ソフトウェア『Razer Synapse』 を spec で明示。Razer 系は QMK / VIA / Vial 公式対応の明示なし
SteelSeries(Apex Pro Gen 3 等)専用ソフトウェア『SteelSeries GG』(旧 SteelSeries Engine)を spec で明示。SteelSeries 系も QMK / VIA / Vial 公式対応の明示なし
Logitech G(G Pro X TKL 等)専用ソフトウェア『Logitech G HUB』 を spec で明示。Logitech G 系も QMK / VIA / Vial 公式対応の明示なし
Corsair(K70 等)専用ソフトウェア『Corsair iCUE』 を spec で明示。Corsair 系も QMK / VIA / Vial 公式対応の明示なし

完成品ゲーミングキーボード市場では、QMK / VIA / Vial 対応は主にカスタムキーボード寄りのメーカー(Keychron / GMMK / NuPhy / Drop 等)の流派 で、Razer / SteelSeries / Logitech G / Corsair 等の主要ゲーミングブランドは『専用ソフトウェア × 専用ファームウェア』の流派 が多数派です。ラピッドトリガーSOCD 系機能 は専用ソフト側で実装されるため、リマップ自由度(QMK / VIA / Vial)と FPS 競技機能(ラピトリ / SOCD)は別の選定軸として考えるのが現実的です。

QMK / VIA / Vial の使い分け — 業界一般理解

各実装の 得意領域 を、自作・カスタムコミュニティの一般理解として整理します。

QMK 本体(再ビルド派)VIA(GUI リマップ派)Vial(GUI +リアルタイム派)
学習コスト高(C ソース・ビルド環境)低(プラグインで即起動)低(プラグインで即起動)
書き換え頻度確定後はあまり変えない用途向き日常的にレイヤを試行錯誤する用途日常的にレイヤを試行錯誤する用途
書き換え時のフラッシュ必要(毎回)不要(動的キーマップに書き込み)公式に『real time』を標榜
タップダンス/コンボフル対応(C で記述)限定対応(バージョン依存)公式に GUI から対応
マクロフル対応(C で記述)GUI から記録/編集GUI から記録/編集
対象キーボード数(公式 verbatim)3000 以上qmk.fm1400 以上caniusevia.com公式数値は明示なし/個別 spec で『Vial-compatible』

完成品ゲーミングキーボードを そのまま使う 範囲では、専用ソフト(Razer Synapse / SteelSeries GG / Logitech G HUB / Corsair iCUE / Wootility)で十分 に収まるケースが多数です。深いレイヤ設計・マクロ・タップダンス・コンボを GUI で詰めたい 場合は VIA / Vial 対応の Keychron Q シリーズ 等を選ぶ流派が有効で、さらに自前で C ソースを書きたい 場合は QMK 本体対応 の機種を選ぶことになります。

用語の混同注意

混同しやすい組違い
QMK vs VIAQMK はファームウェア本体(C ソース+ビルド+フラッシュ)VIA は QMK 互換キーボード向け GUI 設定ツール。VIA を使うには QMK 側に『VIA Support』が組み込まれている 必要がある
VIA vs Vial同じ『GUI でキーリマップ』でも、VIA は QMK 本体の動的キーマップ機能を GUI 化Vial は QMK のフォーク を基盤とし『real time』書き換えを公式に標榜。両者は別プロジェクトで、同じキーボードが両対応しているとは限らない
QMK 対応 vs VIA 対応QMK 対応 ≠ VIA 対応。QMK 本体には対応していても 『VIA Support』のビルドオプション を組み込まないと VIA からは認識されない
Vial-compatible vs VIA-compatibleキーボード基板側のファームウェア配布元での表記。同じ機種でも『Vial-compatible』だけ/『VIA-compatible』だけ/両方 のパターンがある
ファームウェア書き換え vs キーリマップファームウェア書き換え は基板のマイコンに新しい挙動を焼き込む作業(QMK 流派の通常運用)、キーリマップ は焼き込まれた挙動の範囲内でキー対応を動的に書き換える作業(VIA / Vial 流派の通常運用)。混同しやすいが、後者は 不揮発メモリ上のテーブルを書き換えるだけ で、ファームウェア本体は変えていない
QMK vs 専用ソフトウェア(Razer Synapse / G HUB / iCUE / SteelSeries GG / Wootility)QMK / VIA / Vial はオープンソース系の流派、専用ソフトは メーカー独自実装。両者は別系統で、専用ソフト対応機種に後から QMK / VIA / Vial を入れることは原則できない(基板側のマイコン・ファームウェアが固有のため)
キーリマップ vs マクロ vs レイヤーキーリマップ は『この物理キーを別のキーコードに置き換える』、マクロ は『1 押しで複数キーコードを送信する』、レイヤー は『Fn キー等で別のキーマップに切り替える』。3 つはまとめて GUI で扱えることが多いが、機能粒度として別物

QMK / VIA / Vial 対応キーボードを選ぶ際の確認 5 項目

完成品ゲーミングキーボード/カスタムキーボードを購入する際の 公式 spec 確認項目 をまとめます。

  1. 対応ファームウェア種別の明記 — 公式 spec に『QMK 対応』『VIA 対応』『Vial-compatible』のいずれが書かれているか。複数記載がある場合は どの組み合わせか まで確認(QMK のみ / QMK+VIA / QMK+VIA+Vial / Vial 単独 などのパターンが存在)
  2. ホットスワップ対応の有無 — ファームウェア対応とは 別軸 で、スイッチを差し替えたい場合は ホットスワップ 対応かを別途確認
  3. ワイヤレス時のリマップ可否有線接続時のみ QMK / VIA / Vial 対応 で、Bluetooth / 2.4GHz 接続中はリマップできない機種が存在。Keychron Q1 Pro のようにワイヤレスでも対応する SKU もある
  4. 配列・キー数 — 60% / 65% / 75% / TKL / フルサイズ等の キーボードレイアウト によって レイヤー設計の発想が変わる。コンパクトレイアウトほど レイヤー / Fn キー設計の自由度 が選定の決め手になりやすい
  5. ラピッドトリガー/SOCD 等の競技機能の実装場所ラピッドトリガーSOCD / Snap Tap はメーカー専用ソフト側で実装されることが多く、QMK / VIA / Vial 対応 ≠ 競技機能対応 の場合がある

完成品ゲーミングキーボードの公式 spec ページに QMK / VIA / Vial の対応有無を明記している例は、Keychron 等のカスタム寄りメーカーに偏る 傾向があります。Razer / SteelSeries / Logitech G / Corsair / Wooting は専用ソフトウェアによる設定 が前提で、本ページで扱った 3 実装とは別の流派です。本サイトでは 公式 spec ページの一次表記 を優先し、QMK / VIA / Vial の対応可否は メーカー公式 spec の verbatim 表記 に基づいて記述する方針を取っています。

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