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Tandem OLED(タンデム OLED・多層スタック構造)

発光層を縦方向に複数積み重ねる OLED の構造。各層で発光負荷を分担できるため、同じピーク輝度を維持したまま長寿命化・高効率化が狙えます。2026 年現在は LG Display『Tandem WOLED 2.0』(4 スタック RGB) と Samsung Display『QD-OLED Penta Tandem』(5 スタック) が市販モニター向けの主力です。

GLOSSARY

用語の概要

別表記 Tandem OLEDタンデムOLEDタンデム OLEDTandem WOLEDTandem WOLED 2.0Primary RGB TandemPrimary RGB Tandem 2.04-Stack OLED4-Stack TandemPenta TandemQD-OLED Penta Tandem5-Stack OLED5層 Tandem5-Stack TandemTandem 構造多層スタック OLED

関連用語
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出典
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最終更新
DEFINITION

解説

Tandem OLED(タンデム OLED) は、有機発光ダイオード(OLED)の 発光ユニット(スタック)を縦方向に複数積み重ねる 構造の総称です。従来の単層 OLED に対し、各スタックが発光負荷を分担することで、同じピーク輝度を維持したまま 1 層あたりの電流密度を下げられるため、寿命の延長・発光効率の向上・長期的な焼き付き耐性の改善 が狙えます。

2026 年現在、市販のゲーミングモニター用 OLED パネルでは LG Display『Tandem WOLED 2.0』(4 スタック)Samsung Display『QD-OLED Penta Tandem』(5 スタック) の 2 系統が主力で、両社とも CES 2026 を境に ブランド呼称を世代名としてマーケティング統一 しました。

タンデム構造のしくみ

単層 OLED は 1 つの発光層に全電流を流すため、ピーク輝度を引き上げるほど 1 層あたりの負荷が増え、長期的に 輝度低下(焼き付き) や効率低下が起きやすくなります。

タンデム OLED は 複数の発光層を縦方向に直列に重ね、それぞれが同じ電流で同時発光する 構造です。スタック数を N にすると、同じ電流で得られる輝度は理論上 N 倍になり、逆に同じ輝度を 1 層あたり 1/N の負荷 で出せます。発光効率と寿命のトレードオフを構造側で解消するアプローチであり、自動車車載ディスプレイ向けに先行採用された技術が、2024 年以降にタブレット → 2025–2026 年に大画面 TV・モニターへと展開した経緯があります。

メーカー別のブランド呼称(2026 年版)

両社が用いる「Tandem」「Penta Tandem」というブランドは 構造とサブピクセル方式が異なる ため、購入時はブランド名と一緒に「何層スタックか」「サブピクセル配列はどうか」を必ず確認してください。

LG Display ― Tandem WOLED 2.0 / Tandem OLED

LG Display は CES 2026 で OLED ブランドを 2 系統に整理 しました(LG Display 公式 / FlatpanelsHD / ProVideo Coalition)。

ブランド想定アプリケーションサブピクセル方式
Tandem WOLED大型サイズ(TV・モニター)白色 OLED + カラーフィルタ(従来 WOLED 系)
Tandem OLED中小型サイズ(タブレット・ノート PC・車載)RGB 自発光(Primary RGB)

ゲーミングモニター向けには Tandem WOLED 2.0(第 4 世代 Primary RGB Tandem) が 2026 年から本格展開されており、構造は 4 スタック(青 2 層 + 赤 1 層 + 緑 1 層) が一次出典で公表されています(LG Display 公式 / Tom’s Hardware)。一部の最新 27 インチ 4K 240Hz パネルでは、白色光+カラーフィルタを介さずに RGB ストライプ サブピクセル配列 を採用したモデルも登場しています(Tom’s Hardware)。

公表されている モニター向けピーク輝度最大 1,500 nits(LG Display 公式リリース)。本サイト掲載モデルでは LG UltraGear 27GX790B-B / UltraGear OLED GX7(27 inch / 540Hz)が該当します。

Samsung Display ― QD-OLED Penta Tandem

Samsung Display は 5 スタック(青 3 層 + 緑 2 層、全層に重水素(deuterium)材料を採用) の構造を QD-OLED Penta Tandem としてブランディングしています(Samsung Display 公式 / TFTCentral)。前世代の 4 スタック QD-OLED と比較した公式アナウンスは以下のとおりです。

指標公式数値(Samsung Display)
モニター向けピーク輝度最大 1,300 nits(3% OPR 条件で測定)
発光効率前世代比 1.3 倍
寿命前世代比 2 倍

サブピクセル方式は 34 インチ ウルトラワイド向け新パネルRGB ストライプ配列 に切り替わったことが、TFTCentral の QD-OLED 世代別解説で確認できます。本サイト掲載モデルでは MSI MAG OLED 271QPX32 / MSI MPG 341CQR QD-OLED X36 / ASUS ROG Swift OLED PG34WCDN / BenQ MOBIUZ EX321UZ などが Penta Tandem 世代に該当します。

QD-OLED の世代別整理

Samsung QD-OLED 系の世代呼称は、第三者解説(TFTCentral)と各社マーケティング表記が一致していない部分があります。本サイトでは Samsung Display 公式のブランド名(Penta Tandem)TFTCentral の世代ナンバリング を併記する方針です。

Samsung 公式一般的呼称スタック主な投入時期サブピクセル
QD-OLED(初代)Gen 1 / 第 1 世代単層2022 年三角配列(QD-OLED 特有)
QD-OLED EL 2.0Gen 2 / 第 2 〜 第 3 世代単層・改良材料2024 年三角配列(同上)
QD-OLED Penta TandemGen 4 / 第 4 世代5 スタック2025 年末 – 2026 年27/34 inch でストライプ採用例あり

注:第三者媒体間で「Gen 3 / Gen 4」の境界が異なる場合があります。本サイトはブランド名(Penta Tandem)を一次根拠とし、メーカー公式ページに「第 4 世代」「第 5 世代」等の表記がある場合のみそれを併記します。

LG Display Tandem WOLED と QD-OLED Penta Tandem の比較

両者とも「タンデム構造」ですが、スタック数とサブピクセル方式が異なる ため、得意分野が分かれます。

観点LG Tandem WOLED 2.0Samsung QD-OLED Penta Tandem
スタック数(公式)4 スタック(青 2 + 赤 1 + 緑 1)5 スタック(青 3 + 緑 2)
ベース発光白色 OLED + カラーフィルタ(一部 RGB ストライプ品も登場)青 OLED + 量子ドット色変換(QD)
モニター向けピーク輝度(公式)最大 1,500 nits最大 1,300 nits(3% OPR)
寿命(前世代比・公式)LG Display は構造的長寿命を主張(具体倍率は非公開)前世代比 2 倍(公式)
効率(前世代比・公式)同上(具体倍率は非公開)前世代比 1.3 倍(公式)
主要なゲーミング用途WQHD 240–540Hz、FHD 720Hz Dual ModeWQHD 240–360Hz、4K 240Hz、UWQHD 360Hz

いずれの数値もメーカー公式の 公表条件下 で測定された値であり、実機の体感輝度や寿命は使用条件(SDR / HDR / APL / 環境光 / OLED Care の作動頻度)に依存します。

ClearMR / DisplayHDR との関係

タンデム構造はパネル単体の構造特性であり、認証規格としては別軸で評価されます。

  • VESA ClearMR の高グレード(ClearMR 15000 / 18000 / 21000)は、480Hz クラス OLED を主たる対象として 2024-12-30 に追加されました。Tandem 構造はサンプル&ホールド由来のぼけが短い OLED 高リフレッシュレートとの相性が良いため、Tandem 世代モデルで ClearMR 高グレード認証を取得する例が増えています
  • VESA DisplayHDR True BlackTrue Black 500 / 1000 は、最低輝度 ≤ 0.0005 nit を維持しながら 500 / 1000 nit ピーク輝度を出すことを要件にしており、これは構造上 タンデム OLED が得意な領域 に重なります
  • ただし「タンデム構造だから自動的に DisplayHDR True Black 500 / 1000 を取得できる」わけではありません。本サイトでは VESA 認証ロゴをメーカー公式仕様欄に明記している機種にのみ DisplayHDR グレードを付与します

焼き付き との関係

Tandem 構造は 1 層あたりの電流密度を下げる ことで焼き付きの主因の一つを軽減する設計です。ただし以下の点に注意してください。

  • メーカー各社の 公式寿命データ・3 年焼き付き保証 は、保証条件(使用時間・購入経路・地域) が個別に定められているため、Tandem 世代だからといって自動的に保証が手厚くなるわけではない
  • APL(平均輝度レベル)の高い HDR コンテンツ静的 UI を長時間表示する用途(株価ボード・常時固定ロゴ等)では、Tandem 構造でも焼き付きリスクが完全にゼロになるわけではない
  • 各社の ピクセル リフレッシュ / パネル リフレッシュ / ピクセル シフト 等の OLED Care 機能を 設定どおりに作動させる ことが、構造的優位性を実際の使用寿命に反映する前提条件

仕様欄でこう書かれていたら

メーカー公式仕様欄や本サイト製品ページに表示される表記の読み方です。

  • Tandem WOLED 2.0 / 第 4 世代 Tandem WOLED / Primary RGB Tandem 2.0 ― LG Display の 4 スタック WOLED 世代を指す。2026 年以降のモニター向け LG Display 製パネルの主力
  • QD-OLED Penta Tandem / 第 4 世代 QD-OLED / 5-Stack QD-OLED / 5 層 Tandem QD-OLED ― Samsung Display の 5 スタック QD-OLED 世代。本サイトでは Samsung 公式のブランド名 Penta Tandem を一次表記とする
  • Tandem 表記なし必ずしも前世代の単層 OLED とは限らない(メーカーがマーケティング上 Tandem を強調していないだけのケースもある)。確定情報はメーカー公式仕様ページとパネル供給元の発表で確認することを推奨

本サイトの記載基準

本サイトでは Tandem OLED について以下の基準で記載しています。

  1. 数値は AI で生成しない:スタック数・ピーク輝度・前世代比の寿命/効率倍率は、メーカー公式(LG Display / Samsung Display)または一次の業界解析(TFTCentral / Tom’s Hardware 等)に明記された値のみを引用します
  2. 編集部実測なし:Tandem パネルの輝度・寿命・焼き付き耐性は実機計測を行っていません。掲載値はメーカー公式の 公表条件下 での値である旨を明示します
  3. 最上級表現の回避:「最高クラス」「業界最強」「世界初」等の最上級表現は、メーカー側のマーケ表現として記載する場合に限り(その出典明示とともに)引用し、本サイトとして付与しません
  4. ブランド名と構造の区別:Tandem WOLED と Tandem OLED(LG Display)/ QD-OLED Penta Tandem(Samsung Display)はブランドが異なるだけでなく スタック数・サブピクセル方式が異なる ため、製品比較時には両者を同列に並べない記述方針を取ります
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