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VRAM(GPU メモリ/ビデオメモリ)

GPU 上に搭載される専用メモリで、テクスチャ・フレームバッファ・シャドウマップ・レイトレ用 BVH 等を保持する領域。容量(GB)と帯域幅(GB/s)の 2 軸で性能を見ます。同じ GPU クラスでも VRAM が不足する解像度・設定では fps が大きく落ち込むため、解像度(フルHD / WQHD / 4K)と DLSS / FSR の利用前提から容量を選ぶことが重要です。

GLOSSARY

用語の概要

別表記 VRAMビデオメモリGPU メモリグラフィックメモリGDDR6GDDR6XGDDR78GB VRAM12GB VRAM16GB VRAM24GB VRAM32GB VRAMメモリバス幅メモリ帯域幅

関連用語
12
出典
6
最終更新
DEFINITION

解説

VRAM(Video RAM、ビデオメモリ/GPU メモリ)とは、GPU チップに直結した専用メモリで、ゲーム実行中の テクスチャ・フレームバッファ・シャドウマップ・レイトレーシング用 BVH(バウンディング ボリューム ハイアラーキ) などを保持する領域です。CPU 側の [[ddr5-jedec|システムメモリ(DDR5)]] とは別物で、「メモリ 32GB」と PC のスペック欄に書いてある値は DDR5 のことであり、VRAM ではありません

VRAM の性能は次の 2 軸で見ます。

単位何で決まるか
容量GB同時に GPU が保持できるテクスチャ・バッファ量。足りないと急激に fps が落ちる
帯域幅GB/sメモリ規格(GDDR6 / GDDR6X / GDDR7)× バス幅(128bit / 192bit / 256bit / 384bit / 512bit)

NVIDIA RTX 50 シリーズの VRAM 構成

NVIDIA GeForce RTX 50 シリーズは、業界で初めて GDDR7 を採用した世代です(RTX 5050 のみ GDDR6)。各モデルの公式メモリ容量は次のとおりです(NVIDIA 公式)。

モデルVRAM 容量メモリ規格
RTX 509032GBGDDR7
RTX 508016GBGDDR7
RTX 5070 Ti16GBGDDR7
RTX 507012GBGDDR7
RTX 5060 Ti16GB / 8GB(2 SKU)GDDR7
RTX 50608GBGDDR7
RTX 50508GBGDDR6

RTX 5060 Ti は 8GB 版と 16GB 版が併売 されています。VRAM 容量以外の GPU コア仕様は同一ですが、本文後段「容量不足の症状」のとおり、WQHD 以上で AAA タイトルを高設定で遊ぶなら 8GB 版は避けるのが安全です。本サイトでは製品ページの VRAM 表記を 8GB / 16GB で厳密に区別します。

AMD Radeon RX 9000 シリーズの VRAM 構成

AMD Radeon RX 9000 シリーズ(RDNA 4)は GDDR6 を継続採用しています(AMD 公式)。

モデルVRAM 容量メモリ規格バス幅
RX 9070 XT16GBGDDR6256-bit
RX 907016GBGDDR6256-bit
RX 9060 XT16GBGDDR6128-bit

RX 9070 系は同価格帯の RTX 5070(12GB GDDR7)より 4GB 多く VRAM を積みますが、メモリ規格は GDDR7 ではなく GDDR6 です。容量と帯域幅は別軸であり、「容量が大きい=速い」とは限りません。4K / レイトレ常用・MOD テクスチャ環境では容量が効き、競技 FPS で高フレームレートを安定して出す用途では帯域幅とコア性能が効く、という傾向は GPU クラス全体に共通する設計トレードオフです。本サイトでは個別タイトルの fps 値は記載しません([[dlss-fsr-xess|アップスケーリング / フレーム生成]] の項参照)。

容量の目安(解像度 × 設定)

VRAM の必要量は 解像度 × テクスチャ品質 × レイトレ ON/OFF × フレーム生成 ON/OFF で大きく変わります。NVIDIA / AMD / Microsoft が一律に「○ GB あれば十分」という公式値を出していないため、本サイトでは断定的な数値ガイドラインを掲げません。代わりに、本サイトの製品ページ・[[gpu-class|GPU クラス]] 解説で メーカー公式仕様のとおり VRAM 容量を表記 し、ユーザーが解像度・主要タイトルに合わせて選べるよう設計しています。

一般論として、各社公式・主要レビューメディアで繰り返し言及されている目安は次のとおりです。

解像度・用途VRAM の一般的な傾向
フルHD(1920×1080)競技 FPS8GB でも多くのタイトルで動作。テクスチャ品質を下げる前提なら 8GB で実用
フルHD / WQHD 高設定 AAA12GB 以上が安全。8GB ではテクスチャストリーミングが発生するタイトルあり
WQHD(2560×1440)高〜最高設定 AAA12〜16GB 推奨。レイトレ ON では 16GB が安心
4K(3840×2160)高〜最高設定 AAA16GB 以上推奨。レイトレ + フレーム生成 ON では BVH と中間フレームバッファで消費増
4K + パストレーシング + MOD24GB 以上が望ましい場面(RTX 5090 / プロシューマー用途)

数値はあくまで目安であり、断定値ではありません。実際の必要量はタイトルの実装・パッチ・MOD 追加テクスチャで変動します。本サイトが「○ GB で 4K 60fps 保証」のような断定は しません(HANDOVER 絶対則:AI が fps 値を生成しない / 景表法 優良誤認回避)。

容量不足の症状(VRAM Spilling)

VRAM が必要量に対して 足りない場合に出る症状は次のように整理されます。

  • テクスチャポップイン:高品質テクスチャが読み込まれず、低解像度のままチラチラ切り替わる
  • 急激な fps 落ち:システム RAM(DDR5)への スピル(VRAM の枯渇分を PCIe 経由でシステム RAM へ退避)が発生すると、PCIe 帯域がボトルネックになり、ベンチマーク平均は維持できても 1% Low / 0.1% Low が大幅に悪化 します(タイトル内の急な視点変更時にカクつく)
  • フレーム生成の不安定化:[[dlss-fsr-xess|DLSS Frame Generation / FSR Frame Generation]] は中間フレーム生成用に追加 VRAM を消費するため、容量ギリギリの環境で ON にすると逆に挙動が不安定 になる場面があります
  • クラッシュ / VRAM Exhausted エラー:極端に不足するとゲームが落ちる

これらの症状は 「平均 fps だけを見ていると気づきにくい」 ため、VRAM 容量に余裕を持って選ぶのが安全です。

帯域幅(メモリ規格 × バス幅)

VRAM の帯域幅は メモリ規格の世代メモリバス幅 の積でほぼ決まります(JEDEC 公式)。

規格採用世代の例1pin あたりの速度(目安)
GDDR6RTX 30 系の一部 / Radeon RX 6000-9000 系 / RTX 505014〜20 Gbps
GDDR6XRTX 30 上位 / RTX 40 系19〜23 Gbps
GDDR7RTX 50 系(5050 を除く)28〜32 Gbps(JEDEC JESD239)

バス幅(メモリインターフェース)はモデルごとに固定で、128bit < 192bit < 256bit < 384bit < 512bit の順に広くなります。RTX 5090(512bit GDDR7)と RTX 5060(128bit GDDR7)では、同じ GDDR7 でも帯域幅が約 4 倍違う ことになります。

帯域幅はゲーム fps の上限を決める要素のひとつですが、ゲーム性能を予測する単一の指標ではありません。具体的なフレームレートは [[gpu-class|GPU クラス]](コア構成 / SM 数 / クロック)と組み合わさって決まります。本サイトは個別 GPU の合成ベンチマーク値を生成しません。

VRAM とシステム RAM(DDR5)の違い

項目VRAM(GPU メモリ)システム RAM(DDR5)
物理的な場所GPU 基板上マザーボードの DIMM スロット
規格GDDR6 / GDDR6X / GDDR7DDR5([[ddr5-jedec
主な用途テクスチャ・フレームバッファ・BVHOS / アプリ / ゲームのロジック
容量交換基本的に増設不可(GPU 一体型)DIMM を交換・追加可
アップグレードGPU を買い替えるDIMM 増設・換装

「メモリ 32GB」と書かれた BTO PC のスペック欄は DDR5 システムメモリ を指します。VRAM はその下の GPU の項 に記載されています(例:「グラフィックス:GeForce RTX 5070 12GB GDDR7」)。本サイトの製品ページではこの区別を明示しています。

PCIe Gen5 SSD・DirectStorage との関係

最近の AAA タイトルでは、ゲーム起動・シーン遷移時のテクスチャロードを CPU を介さず SSD → GPU の VRAM に直接転送 する Microsoft DirectStorage が採用され始めています(Microsoft DirectX 開発者ブログ)。これにより、

  • PCIe Gen4 / Gen5 SSD の帯域 が活きやすくなり([[pcie-gen5-ssd|PCIe Gen5 SSD]] 参照)
  • VRAM の容量効率が改善(不要になったテクスチャを廃棄して新しいものを高速ロード)

されますが、VRAM の絶対容量が小さければ救済しきれません。DirectStorage は VRAM 不足を解消する魔法ではなく、「足りる前提で速くする」技術 です。

本サイトでの取り扱い基準

  • VRAM 容量は各社公式仕様のとおり厳格に表記 します。RTX 5060 Ti は 8GB / 16GB を別記、Radeon RX 9060 XT は 16GB / 128-bit を併記、等
  • メモリ規格(GDDR6 / GDDR6X / GDDR7)も厳格に区別 します。「16GB なら同等」と扱いません
  • 「○ GB で 4K 60fps 保証」のような断定はしません。タイトル・パッチ・MOD で必要量が変動するためです
  • 競技 FPS と AAA / クリエイティブで VRAM 重要度が異なる ことを本サイトの[[gpu-class|GPU クラス]]・ゲーミングPCの選び方ガイドで繰り返し説明しています
  • 「容量が大きい=高性能」「帯域が広い=高性能」と単純化しません。GPU の総合性能は VRAM・コア・クロック・アーキテクチャの組み合わせで決まります(景表法 / 優良誤認回避)

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SOURCES

参照元(一次ソース)