本文へスキップ

ノートPC メモリモジュール(CAMM2 / LPCAMM2)— JEDEC JESD318

CAMM2 / LPCAMM2 は、SO-DIMM に代わるノートPC 向けの新しいメモリモジュール規格です。JEDEC が 2023 年に JESD318 として標準化し、CAMM2 は DDR5、LPCAMM2 は LPDDR5/5X をホストします。Lenovo ThinkPad P1 Gen 7 が世界初の LPCAMM2 採用機、Dell Pro Max 16 Plus が CAMM2 を最大 256 GB まで搭載、Crucial が 32/64 GB LPCAMM2 LPDDR5X-7500/8533 を販売します。本ページは JEDEC 公式 / Crucial 公式 / Lenovo 公式の verbatim 引用で、SO-DIMM との差分・上位互換性・換装可否を整理します。

GLOSSARY

用語の概要

別表記 CAMM2LPCAMM2Compression-Attached Memory ModuleCompression Attached Memory ModuleJEDEC CAMM2JESD318DDR5 CAMM2LPDDR5 CAMM2LPDDR5X CAMM2Dell CAMMCrucial LPCAMM2Lenovo CAMM2Lenovo LPCAMM2CAMM2 メモリLPCAMM2 メモリノートPC メモリSO-DIMM 後継

関連用語
12
出典
6
最終更新
DEFINITION

解説

CAMM2(Compression-Attached Memory Module)/LPCAMM2(Low Power CAMM2) は、長年ノートPC メモリの標準だった SO-DIMM を置き換えるために JEDECJESD318 として標準化した新しいメモリモジュール規格です。CAMM2DDR5 を、LPCAMM2LPDDR5 / LPDDR5X をホストし、いずれも 基板にコンプレッション(圧接)で取り付ける一体型モジュール として、SO-DIMM より薄く・速く・低消費電力で・かつ ユーザー換装可能 という特徴を持ちます。本ページは JEDEC 公式プレスリリース / Crucial 公式製品ページ / Lenovo Support 公式 / Dell USA 公式の verbatim 引用 で、SO-DIMM との差分とノートPC 選定時のチェックポイントを整理します。

本ページは JEDEC / メーカー公式仕様の総合 であり、編集部による帯域実測値・消費電力実測値ではありません。CAMM2 / LPCAMM2 のスペック数値(速度・電圧・%)はすべてメーカー公式仕様の verbatim 引用で、個別 SKU の動作保証は メーカー公式 PSREF / QVL を参照してください(HANDOVER 絶対則準拠)。

JEDEC JESD318 — CAMM2 共通スタンダード

JEDEC は 2023 年 12 月 5 日付のプレスリリースで JESD318 Compression Attached Memory Module (CAMM2) Common Standard の公開を発表しました。標準本体の Version 1.0.2 は 2023 年 11 月 に公開され、JEDEC 公式文書ライブラリからダウンロードできます。

『The standard defines the electrical and mechanical requirements for both Double Data Rate, Synchronous DRAM Compression-Attached Memory Modules (DDR5 SDRAM CAMM2s) and Low Power Double Data Rate, Synchronous DRAM Compression-Attached Memory Modules (LPDDR5/5X SDRAM CAMM2s) in a single, comprehensive document.』

― JEDEC『JEDEC Publishes New CAMM2 Memory Module Standard』公式プレスリリース

つまり CAMM2 が屋号、DDR5 系と LPDDR5/5X 系の双方の電気的・機械的要件を 1 つの規格で定義しています。JEDEC 公式は 対象市場セグメントについても明示しています。

『DDR5 CAMM2s are intended for performance notebooks and mainstream desktops, while LPDDR5/5X CAMM2s target a broader range of notebooks and certain server market segments.』

― JEDEC 公式プレスリリース

JEDEC 公式ステートメント — Mian Quddus / Tom Schnell

JEDEC 取締役会長 Mian Quddus(Board of Directors Chairman)と CAMM Task Group 議長 Tom Schnell の公式コメントは次のとおりです。

『CAMM2 is versatile across various use cases and is designed with future scalability in mind.』

― Mian Quddus, JEDEC Board of Directors Chairman

『JEDEC CAMM2 is positioned to support and drive next-generation products, offering designers an extensive range of modularity options.』

― Tom Schnell, CAMM Task Group Chairman

Dual-Channel / Single-Channel スタッキング

JESD318 のコネクタ設計は、Dual-Channel(DC)と Single-Channel(SC) の双方をサポートし、Dual-Channel コネクタは lengthwise(長手方向に分割) することで 2 つの Single-Channel コネクタとして使えるという、将来の多チャンネル構成を見据えた拡張性を持っています(JEDEC 公式プレスリリース)。モジュール高さは 2.85mm と 7.5mm の 2 段階が想定されています(同上)。

SO-DIMM との比較 — Crucial 公式数値

Crucial 公式の LPCAMM2 LPDDR5X-7500 / 8533 製品ページが、SO-DIMM との直接比較の数値を verbatim で開示しています。

『LPDDR5X data rate of 8,533MT/s transfers 1.52x more data than the standard DDR5 SODIMM』『1.5x faster than DDR5 SODIMMs

― Crucial 64GB LPCAMM2 LPDDR5X-7500 公式(CT64G75C2LP5X / 8533MT/s 版は CT64G85C2LP5X)

System standby power savings of up to 80% compared to SODIMM』『Up to 7x better power efficiency』『Up to 71% better compared to DDR5 SODIMM in real-world essentials

― Crucial 公式

64% space savings compared to dual-stacked SODIMMs

― Crucial 公式

Crucial LPCAMM2 公式スペック表

項目Crucial LPCAMM2 LPDDR5X-7500Crucial LPCAMM2 LPDDR5-8533MT/sDDR5 SODIMM 参照
DRAM 種別LPDDR5XLPDDR5DDR5
データ転送速度7,500 MT/s8,533 MT/s一般に 5,600 MT/s 前後
動作電圧1.05 V(Crucial 公式)同左1.1 V(DDR5 標準)
容量ラインナップ32 GB / 64 GB64 GB(公開時点)8 / 16 / 32 / 48 / 64 GB
互換性Only work with select laptops同左SO-DIMM スロット汎用
保証Limited lifetime warranty同左メーカーにより異なる
対応開始2024 年〜2024-2025 年

電圧(1.05 V vs DDR5 SODIMM の 1.1 V)と LPDDR5X モバイル DRAM 直結という 2 軸が、Crucial 公式が掲げる『Up to 7x better power efficiency』『Up to 80% standby power savings』の根拠です。

SO-DIMM との非互換 — 物理形状とコネクタ

CAMM2 / LPCAMM2 は SO-DIMM とソケット形状・寸法・ピンアサインが全く異なる新規規格で、SO-DIMM スロットに刺さらず/逆も刺さりませんDell USA 公式 が Dell CAMM(初代)の商品ページに明示している記載は次のとおりです。

『Dell CAMM Memory Upgrade - 128 GB DDR5 3600 MT/s (Not interchangeable with SODIMM)

― Dell USA 公式(370-AHFR)

つまり、現在お使いの SO-DIMM ノートPC を CAMM2 / LPCAMM2 に換装することはできません。逆に CAMM2 / LPCAMM2 採用ノートPC は CAMM2 / LPCAMM2 モジュールでのみアップグレード可能で、SO-DIMM 互換性はありません。

JEDEC 公式 — DDR5 / LPDDR5 ピンアサイン誤実装防止

JEDEC は同プレスリリースで、DDR5 と LPDDR5/5X のピンアサインを意図的に異なるものに設計し、物理的に取り付け手順を変える ことで誤実装を防ぐ思想を明示しています(JEDEC 公式プレスリリース)。CAMM2(DDR5)と LPCAMM2(LPDDR5/5X)のモジュールはコネクタ共通でも相互に挿せないように設計されている、ということです。

CAMM の歴史 — Dell プロプライエタリ → JEDEC 標準化

CAMM2 / LPCAMM2 規格化以前、Dell が独自のプロプライエタリ CAMM を 2022 年に Dell Precision 7670 / 7770(後継の 7680 / 7780 含む)モバイルワークステーションで先行投入していました。Dell USA 公式販売ページ(370-AHFR)に 128 GB DDR5-3600 MT/s という Dell CAMM 仕様が掲載されています。2023 年に Dell が IP を JEDEC に寄贈 し、JEDEC が JESD318 として 2023 年 12 月に共通標準化したのが現在の CAMM2 です。

時期規格概要
2022 年Dell CAMM(独自)Dell Precision 7670/7770/7680/7780 に先行採用 / DDR5-3600 MT/s / 最大 128 GB
2023 年Dell が IP を JEDEC に寄贈JEDEC CAMM Task Group が共通標準化を推進
2023-11JESD318 Version 1.0.2 公開DDR5 CAMM2 + LPDDR5/5X CAMM2(LPCAMM2)共通標準
2023-12-05JEDEC プレスリリース標準公開を公式発表
2024 年〜主要メーカー製品投入開始Lenovo / Crucial / Micron / Dell(CAMM2 世代)等

CAMM2 と LPCAMM2 — 通称の使い分け

業界やメーカーは、JESD318 の中の DDR5 CAMM2 を単に CAMM2 と呼び、LPDDR5/5X CAMM2LPCAMM2(Low Power CAMM2)と呼び分けるのが一般的です。Crucial / Lenovo / Micron 等の モバイル機種向け製品はほぼ LPCAMM2 で、Dell の Pro Max ワークステーション系などが CAMM2(DDR5)を採用する、という棲み分けです。

通称JESD318 上の正式名DRAM 種別主な対象機
CAMM2DDR5 SDRAM CAMM2DDR5高性能ノート / モバイルワークステーション / 一部メインストリームデスクトップ
LPCAMM2LPDDR5/5X SDRAM CAMM2LPDDR5 / LPDDR5Xモバイル中心の幅広いノート(薄型 / 軽量 / 長時間駆動志向)

採用機種の例 — Lenovo / Dell 公式

Lenovo ThinkPad P1 Gen 7(LPCAMM2 採用世界初)

Lenovo ThinkPad P1 Gen 7 は、LPCAMM2 を世界初採用したノートPC として 2024 年に投入されました。Lenovo Support 公式CAMM2 / メモリ / コネクタ の換装手順動画(ytv103913: Replacing Your CAMM2 Top Cover, Memory, Connector, ThinkPad P1 Gen 7)を公開しており、ユーザー換装可能であることを公式に裏付けています。

Lenovo ThinkPad T14 Gen 7(LPCAMM2 採用)

Lenovo は ThinkPad T14 Gen 7(ビジネス向け 14 型)でも LPCAMM2 を採用しました(iFixit 修理ガイド: Lenovo ThinkPad T14 Gen 7 LPCAMM2 Memory Replacement)。T14s Gen 6 は依然 SO-DIMM 採用であるとの第三者報道があり、シリーズ間・世代間で CAMM2 / LPCAMM2 採用は機種別になります(購入時は機種別の PSREF / 公式 spec で必ず確認を推奨)。

Dell Pro Max 16 Plus(CAMM2 採用)

Dell Pro Max 16 Plus(2025 年)は CAMM2(DDR5)を採用し、最大 256 GB(CAMM2 構成時)まで搭載可能と報じられています。Dell USA 公式は同モデル用の SO-DIMM アダプタも別途提供しており、SO-DIMM 構成(最大 96 GB)/ CAMM2 構成(最大 256 GB)のいずれかを選択 する形式です(メーカー公式 spec ページで個別構成を必ず確認)。

採用機種一覧は 2026 年 6 月時点の公開情報から本サイトが整理したもので、メーカー公式の最新一覧(Lenovo PSREF / Dell QuickSpecs / Crucial Compatibility Checker)が一次情報です。各機種の CAMM2 / LPCAMM2 採用可否・容量上限・換装可否 はメーカー公式仕様を必ず確認してください。

紛らわしい用語の切り分け

用語定義レイヤ
CAMMDell が 2022 年に投入した独自のプロプライエタリ規格物理モジュール(旧)
CAMM2JESD318 で標準化された DDR5 圧接型モジュール規格物理モジュール / JEDEC 標準
LPCAMM2JESD318 内の LPDDR5/5X 系 CAMM2 の通称物理モジュール / JEDEC 標準
SO-DIMM従来のノートPC 向けエッジコネクタ式スロット規格物理モジュール(既存)
DDR5DRAM 世代規格(JESD79-5)。CAMM2 / SO-DIMM のどちらにも実装されるDRAM 世代
LPDDR5 / LPDDR5Xモバイル向け低電圧 DRAM 世代規格(JESD209-5)。LPCAMM2 / 基板実装 / オンパッケージ実装の各形態で使われるDRAM 世代
JESD318CAMM2 / LPCAMM2 の物理・電気的共通スタンダード番号JEDEC 標準番号

特に DDR5(JESD79-5)と CAMM2(JESD318)は別レイヤの規格 で、DDR5 SO-DIMM・DDR5 CAMM2 は同じ DRAM 世代の別フォームファクター です。同様に LPDDR5/5X はモバイル DRAM 世代規格で、LPCAMM2 はその物理モジュール規格オンパッケージ実装(はんだ付け固定) とは 換装可否が異なります(オンパッケージ実装はユーザー換装不可、LPCAMM2 はユーザー換装可)。

ノートPC 選定時の 5 チェックポイント

  1. メモリスロット種別を必ず確認 — メーカー公式仕様の『Memory』欄に『Soldered』『LPDDR5X (Onboard / Non-upgradeable)』『SO-DIMM』『CAMM2』『LPCAMM2』のいずれかが記載されます。Soldered / Onboard はユーザー換装不可 です。
  2. 容量上限構成方式 — LPCAMM2 は 1 モジュール構成(Crucial 32GB / 64GB の単一モジュール)で完結する仕様です。SO-DIMM の 2 スロット x 2 枚構成とは前提が異なります。
  3. データ転送速度 — Crucial 公式は LPCAMM2 LPDDR5X-7500(CT64G75C2LP5X)と LPDDR5-8533MT/s 版(CT64G85C2LP5X)を併売。ノートPC 側 SoC(Intel Core Ultra Series 2 / AMD Ryzen AI 300/400 / Snapdragon X)の 公式最大対応速度と一致するモジュールを選びます。
  4. メーカー公式 QVL / Compatibility CheckerCrucial 公式は『Only work with select laptops』 と明示しており、汎用部品ではありません。Crucial の Compatibility Checker / Lenovo PSREF / Dell QuickSpecs で 機種別動作保証を確認してください。
  5. 保証と換装後の保証扱い — ユーザー換装可能でも、メーカー保証規定が『Customer Self Service (CSS) 範囲内』を限定列挙する場合があります。Lenovo Support 公式が CSS 動画として公開している部位は CSS 扱いです(同社が CSS と明示している場合のみ)。

紛らわしい関連トピックとの関係

  • DDR5(JESD79-5) — DRAM 世代規格。CAMM2 / SO-DIMM のどちらでも実装されうるレイヤ。本 entry はそれを乗せる物理モジュールの規格を扱います。
  • Copilot+ PC(NPU 40+ TOPS) — Microsoft 公式 Copilot+ PC ハードウェア要件として 16 GB 以上の DDR5 / LPDDR5 が必須。LPCAMM2 採用機・オンパッケージ LPDDR5X 機のどちらでも要件は満たせます。
  • Thunderbolt 5 vs Thunderbolt 4 — I/O 帯域側。メモリ帯域(LPCAMM2 LPDDR5X 7500/8533 MT/s)と I/O 帯域は別レイヤです。
  • GPU TGP(ノートPC) — GPU 側電力配分。メモリ帯域がボトルネックになりにくくなる LPCAMM2 採用で、GPU 側に電力余裕を回しやすくなる総合バランス設計が一般化していきます(メーカー公式の包括的説明があるわけではないため、業界一般理解として記載)。

まとめ

  • CAMM2 / LPCAMM2 は JEDEC JESD318(2023-12 公開)でのノートPC メモリモジュール共通標準で、DDR5 系を CAMM2 / LPDDR5/5X 系を LPCAMM2 と呼び分けます。
  • SO-DIMM とは物理・電気的に非互換で、SO-DIMM 機種 ⇄ CAMM2 機種の相互換装はできません(Dell USA 公式『Not interchangeable with SODIMM』 verbatim)。
  • Crucial 公式は 『1.5x faster than DDR5 SODIMMs』『Up to 80% standby power savings』『64% space savings』 を SO-DIMM 比較値として開示しています。
  • 採用機種は Lenovo ThinkPad P1 Gen 7(LPCAMM2 採用世界初)/ T14 Gen 7 / Dell Pro Max 16 Plus 等が中心で、シリーズ間・世代間で採用可否が分かれます — 必ずメーカー公式 PSREF / QuickSpecs / Compatibility Checker で確認してください。
  • ユーザー換装可能性は Lenovo Support 公式の CSS 動画(ytv103913) で裏付けられていますが、SO-DIMM 同様に メーカー保証規定 / 機種別の換装方法(ねじ本数 / カバー)の確認は必須 です。

本サイトでは、メモリ仕様欄に メーカー公式 spec で明示された場合のみ 『LPCAMM2 (LPDDR5X 7500 MT/s)』『CAMM2 (DDR5 6400 MT/s)』『LPDDR5X Soldered Onboard』等を記載し、容量上限・速度・換装可否はメーカー公式 PSREF / QuickSpecs に従う conservative 表記を貫いています(HANDOVER 絶対則準拠)。

USE THIS TERM

選び方・ランキングで活用する

SOURCES

参照元(一次ソース)