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ノートPC モダンスタンバイ(Modern Standby / S0 Low Power Idle / S0ix)

Windows 10/11 のノートPC スリープ動作モデル『モダンスタンバイ(Modern Standby)』を Microsoft Learn 公式 / ASUS / Lenovo の OEM 公式表記の verbatim 引用で整理します。従来の S3(Suspend to RAM)に代わり S0 Low Power Idle(S0ix)でスマートフォン的に画面オフのまま OS バックグラウンドを維持・ネットワーク維持・即時復帰を狙う設計で、サポート可否は『powercfg /a』コマンドで [Standby (S0 Low Power Idle) Network Connected] / [Network Disconnected] を確認します。BIOS スイッチで切替不可・OS 再インストールなしで S3 への戻しはできない、という Microsoft 公式の重要前提も明示します。

GLOSSARY

用語の概要

別表記 Modern StandbyModern Sleepモダンスタンバイモダン スタンバイモダンスリープS0 Low Power IdleS0 低電力アイドルS0ixConnected Standbyコネクテッド スタンバイStandby Network ConnectedStandby Network DisconnectedS0i1S0i2S0i3powercfg /aS3 SleepSuspend to RAMInstant On

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DEFINITION

解説

モダンスタンバイ(Modern Standby)は、Windows 10 / 11 のノートPC が 画面を消した後も短いバーストで OS の処理を続け、即座に復帰できるようにする スリープ動作モデルです。Microsoft の公式呼称は 「Modern Standby」、内部の低電力アイドル状態は 「S0 low power idle」(チップベンダの呼称では S0ix)で、従来の S3(Suspend to RAM / サスペンド) とは別系統のスリープモデルです(出典: Microsoft Learn / Modern Standby 公式・System power states 公式)。

本ページは Microsoft Learn の公式ホワイトペーパーと、ASUS / Lenovo の OEM 公式サポートページに記載された 公式表記をそのまま引用 して、ノートPC の購入判断で必要になる「自分が買うノートが S3 なのか Modern Standby なのか・Connected か Disconnected か・電源スイッチの挙動はどうなるか」を整理します。本サイト編集部は実機の消費電力・スタンバイ時間・バッテリードレインの独自計測は行いません。

モダンスタンバイとは何か(Microsoft 公式定義)

Microsoft Learn の Modern Standby 公式ページは、モダンスタンバイを次のように定義しています(出典: Microsoft Learn / Modern Standby)。

Windows 10 Modern Standby (Modern Standby) expands the Windows 8.1 Connected Standby power model. Connected Standby, and consequently Modern Standby, enable an instant on / instant off user experience, similar to smartphone power models. Just like the phone, the S0 low power idle model enables the system to stay connected to the network while in a low power mode.(Microsoft Learn / Modern Standby 公式 verbatim)

要点は次の 4 点です。

  1. 位置付け: Windows 8.1 の Connected Standby の電源モデルを拡張した後継。
  2. 目的: スマートフォンのような インスタント オン / インスタント オフ のユーザー体験。
  3. 内部状態: 動作状態である S0 のまま、S0 low power idle(業界用語 S0ix)で低電力動作。
  4. ネットワーク維持: 低電力モード中も ネットワーク接続を維持 できる(Connected の場合)。

S3(従来のサスペンド)が「OS と RAM だけを保持して止まる」スリープなのに対し、モダンスタンバイは「画面を消したまま OS が短いバーストで動き続ける」設計です。Microsoft Learn は同ページの後段で、システムが起きるたびに以下の挙動を取ると説明しています(公式 verbatim 趣旨)。

  • Entry(スリープ突入時): ユーザーがフタを閉じる・スリープを選ぶ等の操作で開始し、ソフトウェアとハードウェアが低電力遷移の準備を実行する(Both software and hardware must be made ready for low-power operation. verbatim)。
  • Activity(スタンバイ中): ネットワークデバイスは 低電力 / プロトコル オフロード / WoL パターン モードアクティブ モード を必要に応じて自動往復する。Microsoft Store アプリのバックグラウンド タスクやメール受信・Windows Update の処理は、画面を消したまま実行できる。
  • Resume(復帰時): 電源ボタンを押してから 画面が点くまで 1 秒未満(Microsoft Learn 公式 verbatim: The time from the power button press to the display turning on is less than one second.)。

「画面オフ」と「スリープ」は別フェーズ

Microsoft Learn は本ページの本文で、モダンスタンバイのセッションを screen-offsleep の 2 つの内部フェーズに分けて説明しています(公式 verbatim 趣旨: individual screen off and sleep segments make up an overall Modern Standby session)。本サイトでは購入判断上、この区別を 「画面オフ=ソフトを止める準備」「sleep=長時間の低電力維持」 と捉えて差し支えありません。「sleep フェーズ」は 業界一般理解として S0ix の最深状態(後述 S0i3)に相当 することが多いものの、個別 SKU の SoC・OEM チューニングで挙動が変わる ため、メーカーが公式に S0ix の何段階目で何をしているかを明示している機種は少ない、という前提で読みます。

Windows の電源状態 S0〜S5(公式仕様)

Microsoft Learn の System power states 公式ページは、Windows の電源状態を S0 から S5 までの 6 段階 で定義しています(出典: Microsoft Learn / System power states 公式 verbatim 趣旨)。

状態Microsoft 公式の位置付け本ページとの関係
S0動作状態(fully on and operational)。S0 の中に S0 low power idle = Modern Standby がある本ページの主題。画面オフでも S0 のまま
S1〜S3スリープ状態(sleeping states)。電力を下げつつ RAM などで状態を保持し、OS 再起動なしで復帰可能。S3 が一般的な Suspend to RAM(サスペンド)Modern Standby の対比。S3 サポート機は伝統的なサスペンド動作
S4休止(hibernation)。RAM の内容を hiberfil.sys に保存して電源を切るスタンバイとは別系統
S5完全シャットダウン(complete power off / consumes no power)OS が完全に落ちる状態

Microsoft Learn / System power states は S1〜S3 は OS を再起動せず復帰できる こと、S2 → S4 のように直接遷移できず必ず一度 S0 に戻ってから次の状態に入る ことも公式に定義しています(公式 verbatim 趣旨: The system cannot enter one sleep state directly from another; it must always enter the working state before entering any sleep state.)。

重要: 本ページが扱う Modern Standby(S0 low power idle / S0ix)は S0 の中の低電力アイドル で、S1〜S3 の sleeping states とは別系統 です。S3 を持つ機種でも、Modern Standby に対応していれば BIOS から S3 を選び直しても S1〜S3 は表示されない(後述 ASUS 公式表記)という運用が増えています。

S3 と Modern Standby の根本的な違い(ASUS 公式)

ASUS Global Support の公式 FAQ [Windows 11/10] Modern Standby Introduction は、S3 と Modern Standby の挙動差を次のように整理しています(出典: ASUS 公式 verbatim)。

  • Modern Standby の役割: The Modern Standby feature enables the computer to remain connected to the network while in standby mode, similar to a smartphone.(ASUS 公式 verbatim)
  • S3 との挙動差: For S3 systems, the system is either active or in S3. For Modern Standby, the transition from the active to the low power state is a series of steps to lower power consumption.(ASUS 公式 verbatim)
  • ネットワーク 2 系統: Modern Standby systems can either stay connected to or disconnect from the network while in standby.(ASUS 公式 verbatim)
  • 電源状態: On any Modern Standby system, the system remains in S0 while in standby, allowing the following scenarios to work: Background activityFaster resume from a low power state.(ASUS 公式 verbatim)

ASUS 公式は ASUS の ZenBook / VivoBook / ROG / TUF Gaming など Windows 11/10 ノートを対象に、「Modern Standby 対応機は S3 を持たない」 ことを明示しています(後述 powercfg 出力に S3 が表示されない理由)。本サイトはこの記述を、ASUS 製の特定ノートに限定された公式表記 として扱い、他 OEM 機種に外挿しません。

Modern Standby は 2 種類(Connected / Disconnected)

モダンスタンバイには ネットワーク接続を維持するか・しないか で 2 種類の動作モードがあります(出典: Microsoft Learn / ASUS 公式 verbatim 趣旨)。

種別powercfg /a の表示動作の要点
ネットワーク接続維持型Standby (S0 Low Power Idle) Network Connectedスタンバイ中もネットワークに接続し続け、メール・通知・OS バックグラウンド処理を実行
ネットワーク切断型Standby (S0 Low Power Idle) Network Disconnectedスタンバイ中はネットワークを切断し、低消費電力寄りの動作。バックグラウンド処理は最小限

Microsoft Learn は同ホワイトペーパーで Modern Standby has the flexibility to configure the default behavior to limit network activity while in the low power state.(公式 verbatim)と明示しており、ネットワーク維持はデフォルト挙動を OEM 側で構成可能 であることが分かります。実機の挙動は OEM の電源プラン構成・BIOS 設定・各社ユーティリティ(MyASUS / Lenovo Vantage / Dell Power Manager 等)で変わります。

サポート可否の確認方法(powercfg /a

Windows の コマンドプロンプト または PowerShell を管理者として開き、次のコマンドを実行します(出典: ASUS 公式手順 verbatim 趣旨)。

powercfg /a
表示行意味
Standby (S0 Low Power Idle) Network ConnectedModern Standby(ネットワーク接続維持)対応
Standby (S0 Low Power Idle) Network DisconnectedModern Standby(ネットワーク切断型)対応
Standby (S3)伝統的な S3(Suspend to RAM)サポート機
Hibernate休止(S4)サポート
Fast Startup高速スタートアップ

ASUS 公式 FAQ は If the result shows [Standby (S0 Low Power Idle) Network Connected] or [Standby (S0 Low Power Idle) Network Disconnected], it means your device supports the Modern Standby feature.(公式 verbatim 趣旨)と明示しています。Modern Standby 対応機では S1 / S2 / S3 が The following sleep states are not available on this system: 側に列挙される のが一般的な挙動です。

BIOS で S3 に戻せない / OS 再インストール必須

Microsoft Learn / Modern Standby ホワイトペーパーは、S3 と Modern Standby の切替について次の重要な制約を明示しています(出典: Microsoft Learn 公式 verbatim)。

Switching between S3 and Modern Standby cannot be done by changing a setting in the BIOS. Switching the power model is not supported in Windows without a complete OS re-install.(Microsoft Learn / Modern Standby 公式 verbatim)

要点は 2 つです。

  1. BIOS の切替スイッチでは変更できない: 一部 OEM の BIOS には「Sleep Mode: Linux S3 / Windows 10」のような項目が見えることがありますが、これは OS 側からの認識を切り替える運用補助 であって、Windows 上で Modern Standby 動作の機種を S3 動作の機種に変える操作ではない ことが Microsoft 公式から明示されています。
  2. OS 再インストールなしでは切替不可: ファクトリー イメージで Modern Standby 構成にされたノートを S3 動作にしたい場合、Windows をクリーン インストールし、その時点での ACPI ファームウェアと整合させる 必要があります。本サイトでは個別機種ごとの BIOS 設定書き換えや OS 再インストール手順は推奨しません(保証対象外になる可能性があるため、OEM 公式サポートと販売店保証を必ず確認してください)。

注意: 一部の OEM・サードパーティ ブログは BIOS の隠しオプションやレジストリ パッチでの S3 化を案内している例がありますが、Microsoft 公式は OS 再インストールを伴わない切替を明示的にサポートしていません。動作不安定・スリープ復帰失敗・保証問題の原因となるため、本サイトはこれらの手順を推奨せず、購入前に powercfg /a で対応状態を確認 することを案内します。

主要 OEM 公式のモダンスタンバイ表記

主要ノートPC OEM の公式サポート ページから、Modern Standby に関する代表的な公式表記を整理します。本サイトは個別 SKU の対応可否は OEM 公式の最新の機種別仕様で確認することを推奨します。

OEM公式ページ公式表記の要点(verbatim 趣旨)
MicrosoftModern Standby(Microsoft Learn 公式)Connected Standby を拡張した後継の S0 low power idle 電源モデル / 復帰は 1 秒未満 / BIOS スイッチでの切替不可
MicrosoftSystem power states(Win32 / カーネル ドキュメント)S0〜S5 の公式 6 段階定義 / S0 low-power idle = Modern Standby と明示
ASUS[Windows 11/10] Modern Standby Introduction(公式 FAQ)ZenBook / VivoBook / ROG / TUF Gaming 等の Windows 11/10 ノート対象 / powercfg /a での確認手順を公式に案内
LenovoModern Standby - X1 Carbon 6th gen ほか(公式サポート)Kaby Lake-R 世代以降の ThinkPad の Modern Standby 実装ノート(モデル限定の公式ナレッジ)

重要: 上表は 「公式サポートに Modern Standby の解説ページがある」OEM の例 であって、個別 SKU が必ず Modern Standby 対応である保証ではありません。同シリーズ名(ThinkPad / ROG Strix / Razer Blade)でも、世代・SKU・出荷時の Windows バージョンで対応状態が異なります。購入予定 SKU の OEM 公式仕様 / 製品ページ / powercfg /a 実機確認(店頭デモ機・レビュー機がある場合)が一次情報です。

S0i1 / S0i2 / S0i3 の業界呼称

業界・チップベンダの呼称では、SoC の低電力アイドル状態に S0i1 / S0i2 / S0i3 のような複数段階の S0ix サブステートが存在することが知られています。これらは SoC ベンダー(Intel / AMD / Qualcomm)の ハードウェア仕様 に依存し、Microsoft Learn の Modern Standby 公式ページでは S0i1 / S0i2 / S0i3 の段階定義は本サイト確認時点で詳細記載されていません(Modern Standby 公式は S0 low power idle と総称し、内部の段階分けは SoC ベンダ仕様参照を前提とする記述になっています)。

本サイトは個別 SKU で S0i1 / S0i2 / S0i3 のどれに何秒滞在するかといった 数値表現は使いません(SoC ベンダ公式ホワイトペーパーや SleepStudy / ETW トレースが必要となるため)。製品選定上は 「Modern Standby 対応か / Connected か Disconnected か / OEM が低電力時のバックグラウンド挙動をどう案内しているか」 までを公式表記で確認するのが現実的です。

Modern Standby と隣接機能の切り分け

用語レイヤModern Standby との関係
Connected StandbyWindows 8.1 時代の電源モデルModern Standby の前身。Microsoft Learn は明示的に Modern Standby expands the Windows 8.1 Connected Standby power model と記述
S3 Sleep(Suspend to RAM)ACPI S1〜S3 の最深状態Modern Standby と排他。同じ機種で両方を持つことは原則なし(BIOS 切替不可)
S0ixチップベンダ呼称Modern Standby の内部実装名。S0 low power idle の業界呼称
Hibernate(S4)RAM 内容を hiberfil.sys に書き出して電源オフModern Standby とは独立。Modern Standby 対応機でも Hibernate を別途持つことが多い
Sleep Study(SleepStudy)Windows 内蔵診断ツールModern Standby 専用の分析ツールpowercfg /sleepstudy でレポート出力
Fast Startupシャットダウン時にカーネル状態だけ保存して高速起動Modern Standby とは別系統。シャットダウン高速化の機能

これらは 目的・タイミング・ホスト OS / SoC のどの層が制御するか が異なります。レビューやコミュニティで「自分の PC は S0ix で電池が減る」「Modern Standby が良くない」と報告される現象は、本来は Modern Standby 中のバックグラウンド アクティビティが想定より長い(例: ネットワーク アダプタの省電力プロファイル / Windows Update / OneDrive 同期 / Wi-Fi ドライバ)に起因することが多く、Modern Standby 自体の設計失敗ではない ケースもあります。OEM 公式の電源プラン / BIOS / ファームウェア アップデートで改善する例も多いため、最新ファームウェア・BIOS の適用後に再評価 することを本サイトは推奨します。

モダンスタンバイ機を選ぶときの 5 つの確認

  1. powercfg /a の表示: 店頭デモ機やレビュー機で確認できる場合、Standby (S0 Low Power Idle) Network Connected / Network Disconnected のどちらか で、自分の使い方(バッグの中でメール同期したい / 完全に止めたい)と整合するかを確認。
  2. OEM の電源プランとユーティリティ: MyASUS / Lenovo Vantage / Dell Power Manager / HP Smart Sense などで モダンスタンバイ時のバックグラウンド挙動が構成可能か を確認。
  3. powercfg /sleepstudy のレポート: 既存機を持っている場合、SleepStudy で過去のスタンバイ時の消費電力・起床回数を確認 できます。新規購入機は購入後に同じレポートを取って評価。
  4. OEM のバッテリードレイン公式情報: Modern Standby 機は「スタンバイ中の自然放電率(Standby Drain)」が S3 機と異なるため、OEM 公式の Stand-by 時バッテリー駆動時間 に着目(ノートPC バッテリー Wh / JEITA / MobileMark も参照)。
  5. ファームウェア・BIOS の最新状態: 出荷直後のファームウェアにはバッテリードレインや Wi-Fi 復帰の不具合が残っていることがあります。購入直後に OEM 公式の最新 BIOS・チップセット ドライバ・Wi-Fi ドライバ・電源管理 ドライバを適用 してから評価します。

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